危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
アルコール類
<水溶性液体>
メチルアルコール、エチルアルコール
n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
《アルコール類》
アルコール類とは、1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコールをいう。(変性アルコールを含む。)
次のものはアルコール類から除外する。
①1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコールの含有量が60%未満の水溶液
②可燃性液体量が60%未満であって、引火点及び燃焼点(タグ開放式引火点測定器による燃焼点をいう。)がエタノールの60%水溶液の引火点及び燃焼点を超えるもの
メチルアルコール
品名:アルコール類
化学式:CH3OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:1.1
引火点:11℃
発火点:464℃
沸点:64℃
融点:-97.8℃
燃焼範囲:6.0~36vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水および、エチルアルコール、ジエチルエーテル、その他多くの有機溶剤によく溶ける。
④有機物をよく溶かす。
⑤揮発性がある。
【危険性】
①燃焼範囲は6.0~36vol%と広いため、引火の危険性が高い。
②引火点が11℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは引火の危険性はガソリンと同様となる。
③燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
エチルアルコール
品名:アルコール類
化学式:C2H5OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:1.6
引火点:13℃
発火点:363℃
沸点:78℃
融点:-114.5℃
燃焼範囲:3.3~19vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水及びアルコール、ジエチルエーテル、その他多くの有機溶剤によく溶ける。
④有機物をよく溶かす。
⑤揮発性がある。
【危険性】
①引火点が13℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは引火の危険性はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③エチルアルコールの液面上の空間は、爆発性の混合ガスを形成しているため、引火爆発に注意を要する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤毒性は無いが、麻酔性がある。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
n-プロピルアルコール
品名:アルコール類
化学式:C3H7OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:2.1
引火点:23℃
発火点:412℃
沸点:97.2℃
融点:-126℃
燃焼範囲:2.1~13.7vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②水および、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶けるが、塩化カルシウムの冷飽和水溶液には溶けないため、エチルアルコールと区別される。
【危険性】
①引火点が23℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは、引火危険はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
イソプロピルアルコール
品名:アルコール類
化学式:((CH3)2CHOH)
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.79
蒸気比重:2.1
引火点:12℃
発火点:399℃
沸点:82℃
融点:-89℃
燃焼範囲:2.0~12.7vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水および、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶ける。
【危険性】
①引火点が12℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは、引火危険はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
アルコール類
<水溶性液体>
メチルアルコール、エチルアルコール
n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
《アルコール類》
アルコール類とは、1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコールをいう。(変性アルコールを含む。)
次のものはアルコール類から除外する。
①1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコールの含有量が60%未満の水溶液
②可燃性液体量が60%未満であって、引火点及び燃焼点(タグ開放式引火点測定器による燃焼点をいう。)がエタノールの60%水溶液の引火点及び燃焼点を超えるもの
メチルアルコール
品名:アルコール類
化学式:CH3OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:1.1
引火点:11℃
発火点:464℃
沸点:64℃
融点:-97.8℃
燃焼範囲:6.0~36vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水および、エチルアルコール、ジエチルエーテル、その他多くの有機溶剤によく溶ける。
④有機物をよく溶かす。
⑤揮発性がある。
【危険性】
①燃焼範囲は6.0~36vol%と広いため、引火の危険性が高い。
②引火点が11℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは引火の危険性はガソリンと同様となる。
③燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
エチルアルコール
品名:アルコール類
化学式:C2H5OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:1.6
引火点:13℃
発火点:363℃
沸点:78℃
融点:-114.5℃
燃焼範囲:3.3~19vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水及びアルコール、ジエチルエーテル、その他多くの有機溶剤によく溶ける。
④有機物をよく溶かす。
⑤揮発性がある。
【危険性】
①引火点が13℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは引火の危険性はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③エチルアルコールの液面上の空間は、爆発性の混合ガスを形成しているため、引火爆発に注意を要する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤毒性は無いが、麻酔性がある。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
n-プロピルアルコール
品名:アルコール類
化学式:C3H7OH
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.8
蒸気比重:2.1
引火点:23℃
発火点:412℃
沸点:97.2℃
融点:-126℃
燃焼範囲:2.1~13.7vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②水および、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶けるが、塩化カルシウムの冷飽和水溶液には溶けないため、エチルアルコールと区別される。
【危険性】
①引火点が23℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは、引火危険はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
イソプロピルアルコール
品名:アルコール類
化学式:((CH3)2CHOH)
指定数量:400リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:0.79
蒸気比重:2.1
引火点:12℃
発火点:399℃
沸点:82℃
融点:-89℃
燃焼範囲:2.0~12.7vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香臭がある。
③水および、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶ける。
【危険性】
①引火点が12℃であるため、冬期では燃焼性混合気を生成しないが、加熱または夏期等で液温が高いときは、引火危険はガソリンと同様となる。
②燃焼しても炎の色が薄いため、認識しづらく危険である。
③電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
水溶性であるため、泡が水に溶けて消滅するので、耐アルコール泡用消火剤を用いるほか、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
★ 次のような問題が出題されます。★
アルコール類(例:エチルアルコール)に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
エチルアルコールの性状について、次のうち正しいものはどれか。
(1)蒸気比重は1よりも小さい。
(2)毒性や麻酔性はない。
(3)引火点は20℃以上である。
(4)燃焼範囲は、第四類危険物の中でもっとも広い。
(5)比重は1以下である。
【解答】
(5)
【解説】
(1)蒸気比重は1.6で、空気よりも重い。
(2)毒性はないが、麻酔性がある。
(3)引火点は13℃である。
(4)燃焼範囲は、3.3~19vol%である。
(第四類危険物の中でもっとも燃焼範囲が広いのは特殊引火物のアセトアルデヒドであり、4.0~60.0vol%である。)
(5)比重は0.8で水よりも軽い。