性質並びにその火災予防及び消火の方法
乙種第一類危険物
第一類危険物は酸化性固体です。
第一類危険物そのものは不燃性ですが、酸素を持った化合物で強い酸化力をもっており、わずかな刺激で容易に酸素を放出するため、他の物質(特に可燃物)との混在や接触により酸素供給源となって、点火源などがあれば、その物質を発火、あるいは爆発させます。
このような性質を有していますので、貯蔵・取扱いにあたっては、付近に可燃物が存在しないようにするとともに、火気、加熱、衝撃、摩擦などで分解を起こさせないように注意しなければなりません。
消火の方法としては、冷却効果による消火が酸化剤の分解を抑制し、有効です。
また、第一類の物質自体は不燃性ですので、火災の対象物の状況に応じた消火剤を選択する必要があります。
ここでは、このような危険性を有している酸化性固体について学習しましょう。
第一類の危険物は、消防法別表第一の第一類の項の品名欄に掲げる物品で、酸化性固体の性状を有するものをいう。
【酸化性固体】
下記の試験において一定の性状を示す固体である。
・酸化力の潜在的な危険性を判断するための試験(燃焼試験)
・衝撃に対する敏感性を判断するための試験(落球式打撃感度試験)
第一類
酸化性固体
〇塩素酸塩類
・塩素酸カリウム
・塩素酸ナトリウム
・塩素酸アンモニウム
〇過塩素酸塩類
・過塩素酸カリウム
・過塩素酸ナトリウム
・過塩素酸アンモニウム
〇無機過酸化物
・過酸化カリウム
・過酸化ナトリウム
・過酸化カルシウム
〇亜塩素酸塩類
・亜塩素酸ナトリウム
〇臭素酸塩類
・臭素酸カリウム
・臭素酸ナトリウム
〇硝酸塩類
・硝酸カリウム
・硝酸ナトリウム
・硝酸アンモニウム
〇ヨウ素酸塩類
・ヨウ素酸カリウム
・ヨウ素酸ナトリウム
〇過マンガン酸塩類
・過マンガン酸カリウム
・過マンガン酸ナトリウム
〇重クロム酸塩類
・重クロム酸カリウム
・重クロム酸アンモニウム
〇その他のもので政令で定めるもの
・過ヨウ素酸ナトリウム
・メタ過ヨウ素酸
・三酸化クロム(無水クロム酸)
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
<共通する性質>
〇ほとんどは、無色の結晶または白色の粉末である。
〇不燃性で、それ自体は燃えない。
〇酸素を含んでいるため、加熱、衝撃、摩擦等により、分解して酸素を発生し、周囲の可燃物を激しく燃焼させる。(酸素供給体・強酸化剤の役目をする。)
〇可燃物、有機物など、酸化されやすい物質と混合して、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
〇アルカリ金属の過酸化物(無機過酸化物の過酸化カリウムなど)及び、これらを含有するものは、水と反応して酸素と熱を発生する。
〇潮解性を有するもの(ナトリウム塩など)は、潮解して木材、紙などに染み込むため、乾燥した場合は爆発の危険性がある。
〇ほとんどのものは水溶性で、比重は1より大きい。
<共通する火災予防の方法>
〇火気、加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
〇可燃物、有機物、酸化されやすい物質、及び強酸類との接触を避ける。
〇容器は密栓して、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
〇潮解性のある物質は湿気を帯びないようにする。
〇水と反応して酸素を放出するアルカリ金属の過酸化物及びこれらを含有するものは、水との接触を避ける。
<共通する消火の方法>
〇第一類危険物の火災の場合、酸化性物質の分解により酸素が供給されるため、可燃物の燃焼が激しく、さらに、燃焼熱によって酸化性物質自体の分解が進む。従って、消火に当たっては、大量の水で冷却消火し、分解温度以下に下げることで、危険物の分解を抑制し、可燃物の燃焼も抑制できる。
〇アルカリ金属の過酸化物による火災では、注水消火はできないため、炭酸水素塩類等を使用する粉末消火器または乾燥砂などで消火する。
乙種第一類危険物
第一類危険物は酸化性固体です。
第一類危険物そのものは不燃性ですが、酸素を持った化合物で強い酸化力をもっており、わずかな刺激で容易に酸素を放出するため、他の物質(特に可燃物)との混在や接触により酸素供給源となって、点火源などがあれば、その物質を発火、あるいは爆発させます。
このような性質を有していますので、貯蔵・取扱いにあたっては、付近に可燃物が存在しないようにするとともに、火気、加熱、衝撃、摩擦などで分解を起こさせないように注意しなければなりません。
消火の方法としては、冷却効果による消火が酸化剤の分解を抑制し、有効です。
また、第一類の物質自体は不燃性ですので、火災の対象物の状況に応じた消火剤を選択する必要があります。
ここでは、このような危険性を有している酸化性固体について学習しましょう。
第一類の危険物は、消防法別表第一の第一類の項の品名欄に掲げる物品で、酸化性固体の性状を有するものをいう。
【酸化性固体】
下記の試験において一定の性状を示す固体である。
・酸化力の潜在的な危険性を判断するための試験(燃焼試験)
・衝撃に対する敏感性を判断するための試験(落球式打撃感度試験)
第一類
酸化性固体
〇塩素酸塩類
・塩素酸カリウム
・塩素酸ナトリウム
・塩素酸アンモニウム
〇過塩素酸塩類
・過塩素酸カリウム
・過塩素酸ナトリウム
・過塩素酸アンモニウム
〇無機過酸化物
・過酸化カリウム
・過酸化ナトリウム
・過酸化カルシウム
〇亜塩素酸塩類
・亜塩素酸ナトリウム
〇臭素酸塩類
・臭素酸カリウム
・臭素酸ナトリウム
〇硝酸塩類
・硝酸カリウム
・硝酸ナトリウム
・硝酸アンモニウム
〇ヨウ素酸塩類
・ヨウ素酸カリウム
・ヨウ素酸ナトリウム
〇過マンガン酸塩類
・過マンガン酸カリウム
・過マンガン酸ナトリウム
〇重クロム酸塩類
・重クロム酸カリウム
・重クロム酸アンモニウム
〇その他のもので政令で定めるもの
・過ヨウ素酸ナトリウム
・メタ過ヨウ素酸
・三酸化クロム(無水クロム酸)
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
<共通する性質>
〇ほとんどは、無色の結晶または白色の粉末である。
〇不燃性で、それ自体は燃えない。
〇酸素を含んでいるため、加熱、衝撃、摩擦等により、分解して酸素を発生し、周囲の可燃物を激しく燃焼させる。(酸素供給体・強酸化剤の役目をする。)
〇可燃物、有機物など、酸化されやすい物質と混合して、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
〇アルカリ金属の過酸化物(無機過酸化物の過酸化カリウムなど)及び、これらを含有するものは、水と反応して酸素と熱を発生する。
〇潮解性を有するもの(ナトリウム塩など)は、潮解して木材、紙などに染み込むため、乾燥した場合は爆発の危険性がある。
〇ほとんどのものは水溶性で、比重は1より大きい。
<共通する火災予防の方法>
〇火気、加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
〇可燃物、有機物、酸化されやすい物質、及び強酸類との接触を避ける。
〇容器は密栓して、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
〇潮解性のある物質は湿気を帯びないようにする。
〇水と反応して酸素を放出するアルカリ金属の過酸化物及びこれらを含有するものは、水との接触を避ける。
<共通する消火の方法>
〇第一類危険物の火災の場合、酸化性物質の分解により酸素が供給されるため、可燃物の燃焼が激しく、さらに、燃焼熱によって酸化性物質自体の分解が進む。従って、消火に当たっては、大量の水で冷却消火し、分解温度以下に下げることで、危険物の分解を抑制し、可燃物の燃焼も抑制できる。
〇アルカリ金属の過酸化物による火災では、注水消火はできないため、炭酸水素塩類等を使用する粉末消火器または乾燥砂などで消火する。
第一類
酸化性固体
【 品名・物品名ごとの各論 】
〇塩素酸塩類
・塩素酸カリウム(KClO3)
<形状等>
無色の結晶、白色の粉末
<性質>
比重 2.3 融点 368℃
強力な酸化剤
加熱すると約400℃以上で分解して酸素を発生する。
水には溶け難いが熱湯には溶ける。
<危険性>
強酸類との接触、加熱、衝撃、摩擦等により爆発の危険性がある。
可燃性物質(赤リン、硫黄等)と混合すると、わずかな刺激で、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
火気、加熱、衝撃、摩擦等を避ける。
可燃物、強酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷暗所に貯蔵する。
<消火の方法>
注水消火
酸化性固体
【 品名・物品名ごとの各論 】
〇塩素酸塩類
・塩素酸カリウム(KClO3)
<形状等>
無色の結晶、白色の粉末
<性質>
比重 2.3 融点 368℃
強力な酸化剤
加熱すると約400℃以上で分解して酸素を発生する。
水には溶け難いが熱湯には溶ける。
<危険性>
強酸類との接触、加熱、衝撃、摩擦等により爆発の危険性がある。
可燃性物質(赤リン、硫黄等)と混合すると、わずかな刺激で、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
火気、加熱、衝撃、摩擦等を避ける。
可燃物、強酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷暗所に貯蔵する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・塩素酸ナトリウム(NaClO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.5 融点 248~261℃
水やアルコールに溶ける。
潮解性を有する。
加熱すると約300℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解したものが木や紙に染み込み乾燥すると、加熱、衝撃、摩擦等により爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解性があるため、特に容器の密栓には注意する。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.5 融点 248~261℃
水やアルコールに溶ける。
潮解性を有する。
加熱すると約300℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解したものが木や紙に染み込み乾燥すると、加熱、衝撃、摩擦等により爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解性があるため、特に容器の密栓には注意する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・塩素酸アンモニウム(NH4ClO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.4 融点 380℃
水には溶けるが、アルコールには溶け難い。
潮解性を有する。
加熱すると約100℃以上で分解して爆発する場合がある。
<危険性>
塩素酸ナトリウムに準ずる。
常温でも爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解性があるため、特に容器の密栓には注意する。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.4 融点 380℃
水には溶けるが、アルコールには溶け難い。
潮解性を有する。
加熱すると約100℃以上で分解して爆発する場合がある。
<危険性>
塩素酸ナトリウムに準ずる。
常温でも爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
潮解性があるため、特に容器の密栓には注意する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇過塩素酸塩類
・過塩素酸カリウム(KClO4)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.52 融点 610℃
水に溶け難い。
加熱すると約400℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずるが、塩素酸カリウムよりも危険性は低い。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
・過塩素酸カリウム(KClO4)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.52 融点 610℃
水に溶け難い。
加熱すると約400℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずるが、塩素酸カリウムよりも危険性は低い。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・過塩素酸ナトリウム(NaClO4)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.03 融点 482℃
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると200℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸ナトリウムに準ずる。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.03 融点 482℃
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると200℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
塩素酸ナトリウムに準ずる。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2
水に溶ける。
加熱すると約150℃以上で分解して酸素を発生する。
400℃以上で激しく分解し、発火することがある。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずるが、燃焼時に多量のガスを発生するため、塩素酸カリウムよりも危険性は高い。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2
水に溶ける。
加熱すると約150℃以上で分解して酸素を発生する。
400℃以上で激しく分解し、発火することがある。
<危険性>
塩素酸カリウムに準ずるが、燃焼時に多量のガスを発生するため、塩素酸カリウムよりも危険性は高い。
<火災予防の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
塩素酸カリウムに準ずる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇無機過酸化物
・過酸化カリウム(K2O2)
<形状等>
オレンジ色の粉末
<性質>
比重 2.0 融点 490℃
加熱すると融点以上で分解して酸素を発生する。
潮解性がある。
吸湿性がある。
水と反応して熱と酸素を発生し、水酸化カリウムを生ずる。
<危険性>
大量の水と反応すると爆発の危険性がある。
可燃物、有機物、または酸化されやすいものと混合すると、加熱、衝撃、摩擦等で発火、爆発の危険性がある。
腐食性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は避ける。
・過酸化カリウム(K2O2)
<形状等>
オレンジ色の粉末
<性質>
比重 2.0 融点 490℃
加熱すると融点以上で分解して酸素を発生する。
潮解性がある。
吸湿性がある。
水と反応して熱と酸素を発生し、水酸化カリウムを生ずる。
<危険性>
大量の水と反応すると爆発の危険性がある。
可燃物、有機物、または酸化されやすいものと混合すると、加熱、衝撃、摩擦等で発火、爆発の危険性がある。
腐食性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は避ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・過酸化ナトリウム(Na2O2)
<形状等>
普通は黄白色の粉末(純粋なものは白色)
<性質>
比重 2.9 融点 460℃
加熱すると約660℃以上で分解して酸素を発生する。
吸湿性がある。
水と反応して熱と酸素を発生し、水酸化ナトリウムを生ずる。
<危険性>
過酸化カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
過酸化カリウムと同じ。
<消火の方法>
過酸化カリウムと同じ。
<形状等>
普通は黄白色の粉末(純粋なものは白色)
<性質>
比重 2.9 融点 460℃
加熱すると約660℃以上で分解して酸素を発生する。
吸湿性がある。
水と反応して熱と酸素を発生し、水酸化ナトリウムを生ずる。
<危険性>
過酸化カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
過酸化カリウムと同じ。
<消火の方法>
過酸化カリウムと同じ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・過酸化カルシウム(CaO2)
<形状等>
無色の粉末
<性質>
水には溶け難いが酸には溶ける。
加熱すると275℃以上で分解して酸素を発生する。
アルコール、ジエチルエーテルに溶けない。
<危険性>
加熱すると275℃以上で爆発的に分解する。
希酸類と反応して過酸化水素を発生する。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
希酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
過酸化カリウムと同じ。
<形状等>
無色の粉末
<性質>
水には溶け難いが酸には溶ける。
加熱すると275℃以上で分解して酸素を発生する。
アルコール、ジエチルエーテルに溶けない。
<危険性>
加熱すると275℃以上で爆発的に分解する。
希酸類と反応して過酸化水素を発生する。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
希酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
過酸化カリウムと同じ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇亜塩素酸塩類
・亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)
<形状等>
白色の結晶、または結晶性粉末
<性質>
融点 180~200℃
水に溶ける。
吸湿性がある。
特異な刺激臭のある二酸化塩素を発生する。
市販品は、加熱すると140℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
直射日光で分解し、酸と混合すると、爆発性の二酸化塩素ガスを発生する。
皮膚粘膜についたときは刺激性があり、発生する二酸化塩素は毒性がある。
二酸化塩素は毒性がある。
りん、カーボンなどの還元性物質や、衣類、油脂などの有機物などと混合すると、わずかな刺激で発火、爆発の危険性がある。
鉄、銅、銅合金などの金属を腐食するため、保管に金属製の容器は使用できない。
<火災予防の方法>
火気、加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
直射日光を避け、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
酸、有機物、還元性物質との混触を避ける。
<消火の方法>
注水消火(消火時に爆発の危険性があるので注意する。)
・亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)
<形状等>
白色の結晶、または結晶性粉末
<性質>
融点 180~200℃
水に溶ける。
吸湿性がある。
特異な刺激臭のある二酸化塩素を発生する。
市販品は、加熱すると140℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
直射日光で分解し、酸と混合すると、爆発性の二酸化塩素ガスを発生する。
皮膚粘膜についたときは刺激性があり、発生する二酸化塩素は毒性がある。
二酸化塩素は毒性がある。
りん、カーボンなどの還元性物質や、衣類、油脂などの有機物などと混合すると、わずかな刺激で発火、爆発の危険性がある。
鉄、銅、銅合金などの金属を腐食するため、保管に金属製の容器は使用できない。
<火災予防の方法>
火気、加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
直射日光を避け、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
酸、有機物、還元性物質との混触を避ける。
<消火の方法>
注水消火(消火時に爆発の危険性があるので注意する。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇臭素酸塩類
・臭素酸カリウム(KBrO3)
<形状等>
無色の結晶性粉末
<性質>
比重 3.3 融点 350℃
水に溶けるが、アルコールに溶け難い。アセトンに溶けない。
加熱すると融点以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
衝撃を加えると爆発の危険性がある。
有機物と混合したものは危険性がさらに高まる。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、酸との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
・臭素酸カリウム(KBrO3)
<形状等>
無色の結晶性粉末
<性質>
比重 3.3 融点 350℃
水に溶けるが、アルコールに溶け難い。アセトンに溶けない。
加熱すると融点以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
衝撃を加えると爆発の危険性がある。
有機物と混合したものは危険性がさらに高まる。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、酸との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・臭素酸ナトリウム(NaBrO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 3.3 融点 381℃
水に溶けるが、アルコールには溶けない。
強力な酸化剤である。
可燃性物質、粉末金属と激しく反応する。
<危険性>
加熱すると分解し、臭化水素を含有する有毒ガスを発生する。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、酸との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 3.3 融点 381℃
水に溶けるが、アルコールには溶けない。
強力な酸化剤である。
可燃性物質、粉末金属と激しく反応する。
<危険性>
加熱すると分解し、臭化水素を含有する有毒ガスを発生する。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、酸との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇硝酸塩類
・硝酸カリウム(KNO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.1 融点 339℃
水によく溶ける。
加熱すると400℃以上で分解して酸素を発生する。
可燃物の燃焼に必要な酸素を供給する。
<危険性>
加熱すると分解して酸素を発生するため、可燃物、有機物と混合したものは、加熱、衝撃、摩擦により、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
・硝酸カリウム(KNO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.1 融点 339℃
水によく溶ける。
加熱すると400℃以上で分解して酸素を発生する。
可燃物の燃焼に必要な酸素を供給する。
<危険性>
加熱すると分解して酸素を発生するため、可燃物、有機物と混合したものは、加熱、衝撃、摩擦により、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・硝酸ナトリウム(NaNO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.25 融点 306.8℃
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると380℃以上で分解して酸素を発生する。
反応性は硝酸カリウムより弱い。
<危険性>
硝酸カリウムに準ずるが、危険性はやや低い。
<火災予防の方法>
硝酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 2.25 融点 306.8℃
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると380℃以上で分解して酸素を発生する。
反応性は硝酸カリウムより弱い。
<危険性>
硝酸カリウムに準ずるが、危険性はやや低い。
<火災予防の方法>
硝酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・硝酸アンモニウム(NH4NO3)
<形状等>
無色の結晶または結晶性粉末
<性質>
比重 1.8 融点 169.6℃
水によく溶け、メチルアルコール、エチルアルコールにも溶ける。
吸湿性がある。
加熱すると約210℃以上で分解して亜酸化窒素と水を生じる。
更に加熱すると、約500℃で亜酸化窒素が爆発的に分解して酸素と窒素を発生する。
<危険性>
急激に加熱したり、衝撃を加えたりすると、爆発の危険性がある。
可燃物、有機物、金属粉と混合すると、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
硝酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶または結晶性粉末
<性質>
比重 1.8 融点 169.6℃
水によく溶け、メチルアルコール、エチルアルコールにも溶ける。
吸湿性がある。
加熱すると約210℃以上で分解して亜酸化窒素と水を生じる。
更に加熱すると、約500℃で亜酸化窒素が爆発的に分解して酸素と窒素を発生する。
<危険性>
急激に加熱したり、衝撃を加えたりすると、爆発の危険性がある。
可燃物、有機物、金属粉と混合すると、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
硝酸カリウムに準ずる。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇ヨウ素酸塩類
・ヨウ素酸カリウム(KIO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 3.9 融点 560℃
水に溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物と混合して加熱すると爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
可燃物との混合を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
・ヨウ素酸カリウム(KIO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 3.9 融点 560℃
水に溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物と混合して加熱すると爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
可燃物との混合を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・ヨウ素酸ナトリウム(NaIO3)
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 4.3
水によく溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると分解して酸素を発生する。
<危険性>
ヨウ素酸カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
ヨウ素酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
無色の結晶
<性質>
比重 4.3
水によく溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると分解して酸素を発生する。
<危険性>
ヨウ素酸カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
ヨウ素酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇過マンガン酸塩類
・過マンガン酸カリウム(KMnO4)
<形状等>
赤紫色または金属光沢の結晶
<性質>
比重 2.7 融点 240℃
水によく溶けて、濃紫色を呈する。
加熱すると200℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物、有機物、強酸類(硫酸など)と混合して、加熱、衝撃、摩擦等を加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、強酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
・過マンガン酸カリウム(KMnO4)
<形状等>
赤紫色または金属光沢の結晶
<性質>
比重 2.7 融点 240℃
水によく溶けて、濃紫色を呈する。
加熱すると200℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物、有機物、強酸類(硫酸など)と混合して、加熱、衝撃、摩擦等を加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、強酸類との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・過マンガン酸ナトリウム(NaMnO4・3H2O)
<形状等>
赤紫色の粉末
<性質>
比重 2.5
水に溶ける。
潮解性がある。
加熱すると170℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
過マンガン酸カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
過マンガン酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
赤紫色の粉末
<性質>
比重 2.5
水に溶ける。
潮解性がある。
加熱すると170℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
過マンガン酸カリウムと同じ。
<火災予防の方法>
過マンガン酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇重クロム酸塩類
・重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)
<形状等>
橙赤色の結晶
<性質>
比重 2.69 融点 398℃
水に溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると500℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物、有機物、還元剤と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、還元剤との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
・重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)
<形状等>
橙赤色の結晶
<性質>
比重 2.69 融点 398℃
水に溶けるが、エチルアルコールには溶けない。
加熱すると500℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物、有機物、還元剤と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物、有機物、還元剤との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・重クロム酸アンモニウム((NH4)2Cr2O7)
<形状等>
橙赤色の結晶
<性質>
比重 2.2(15℃) 融点 185℃
エチルアルコールによく溶け、水にも溶ける。
加熱すると185℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
重クロム酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
橙赤色の結晶
<性質>
比重 2.2(15℃) 融点 185℃
エチルアルコールによく溶け、水にも溶ける。
加熱すると185℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
重クロム酸カリウムと同じ。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇その他のもので政令で定めるもの
・過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)
<形状等>
白色の結晶または粉末
<性質>
比重 3.87 融点 300℃
水に溶ける。
加熱すると約300℃以上で分解して酸素を発生する。
毒性がある。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
・過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)
<形状等>
白色の結晶または粉末
<性質>
比重 3.87 融点 300℃
水に溶ける。
加熱すると約300℃以上で分解して酸素を発生する。
毒性がある。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・メタ過ヨウ素酸(HIO4・2H2O)
<形状等>
白色の結晶または結晶性粉末
<性質>
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると110℃で昇華しはじめ、138℃で酸素を放出し、五酸化二ヨウ素I2O5と水になる。
水溶液を加熱するとオゾンO3を発生する。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
白色の結晶または結晶性粉末
<性質>
水によく溶ける。
潮解性がある。
加熱すると110℃で昇華しはじめ、138℃で酸素を放出し、五酸化二ヨウ素I2O5と水になる。
水溶液を加熱するとオゾンO3を発生する。
<危険性>
可燃物と混合し、加熱、衝撃、摩擦などを加えると、発火、爆発の危険性がある。
<火災予防の方法>
加熱、衝撃、摩擦などを避ける。
可燃物との接触を避ける。
<消火の方法>
注水消火
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・三酸化クロム(無水クロム酸)(CrO3)
<形状等>
暗赤色の結晶
<性質>
比重 2.7 融点 196℃
水やエチルアルコールに溶ける。
潮解性がある。
強い酸化剤である。
加熱すると250℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
アルコール、ジエチルエーテル、アセトンなどと接触すると爆発的に燃焼する危険性がある。
水溶液は腐食性が強い。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
金属製の容器を使用する場合は、鉛などを内張りする。
<消火の方法>
注水消火
<形状等>
暗赤色の結晶
<性質>
比重 2.7 融点 196℃
水やエチルアルコールに溶ける。
潮解性がある。
強い酸化剤である。
加熱すると250℃以上で分解して酸素を発生する。
<危険性>
アルコール、ジエチルエーテル、アセトンなどと接触すると爆発的に燃焼する危険性がある。
水溶液は腐食性が強い。
<火災予防の方法>
加熱を避ける。
可燃物、有機物との接触を避ける。
金属製の容器を使用する場合は、鉛などを内張りする。
<消火の方法>
注水消火
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〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するも
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