消火に関する基礎理論
主要項目
■消火理論
消火の三要素
■消火設備
消火設備の区分
消火設備の概要
■消火設備
消火設備の区分
消火設備は、
製造所等の区分
規模
危険物の品名
数量 等
に応じて適用する消火設備の設置が義務付けられている。
消火設備には、建築物に固定しているものと、消火器のように可搬式のものがある。
固定式
第1種、第2種、第3種の消火設備
可搬式
第4種、第5種の消火設備
主要項目
■消火理論
消火の三要素
■消火設備
消火設備の区分
消火設備の概要
■消火設備
消火設備の区分
消火設備は、
製造所等の区分
規模
危険物の品名
数量 等
に応じて適用する消火設備の設置が義務付けられている。
消火設備には、建築物に固定しているものと、消火器のように可搬式のものがある。
固定式
第1種、第2種、第3種の消火設備
可搬式
第4種、第5種の消火設備
消火設備の区分
【第1種】
消火栓設備<固定式>
・屋内消火栓設備または屋外消火栓設備
【第2種】
スプリンクラー設備<固定式>
【第3種】
消火設備<固定式>
・水噴霧消火設備・泡消火設備
・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備
・粉末消火設備
【第4種又は第5種】
第4種は大型、第5種は小型を意味する。
大型消火器<可搬式>
小型消火器<可搬式>
・棒状または霧状の水を放射する消火器
・棒状または霧状の強化液を放射する消火器
・泡または二酸化炭素を放射する消火器
・ハロゲン化物または消火粉末を放射する消火器
【第5種】
小型消火器<可搬式>
・水バケツまたは水槽・乾燥砂・膨張ひる石または膨張真珠岩
【第1種】
消火栓設備<固定式>
・屋内消火栓設備または屋外消火栓設備
【第2種】
スプリンクラー設備<固定式>
【第3種】
消火設備<固定式>
・水噴霧消火設備・泡消火設備
・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備
・粉末消火設備
【第4種又は第5種】
第4種は大型、第5種は小型を意味する。
大型消火器<可搬式>
小型消火器<可搬式>
・棒状または霧状の水を放射する消火器
・棒状または霧状の強化液を放射する消火器
・泡または二酸化炭素を放射する消火器
・ハロゲン化物または消火粉末を放射する消火器
【第5種】
小型消火器<可搬式>
・水バケツまたは水槽・乾燥砂・膨張ひる石または膨張真珠岩
消火設備の区分と適応
第四類危険物の場合
【第三種】
・水蒸気消火設備又は水噴霧消火設備
・泡消火設備
・不活性ガス消火設備
・ハロゲン化物消火設備
・粉末消火設備
りん酸塩類等を使用するもの
炭酸水素塩類等を使用するもの
【第四種又は第五種】
・霧状の強化液を放射する消火器
・泡を放射する消火器
・二酸化炭素を放射する消火器
・ハロゲン化物を放射する消火器
・消火粉末を放射する消火器
りん酸塩類等を使用するもの
炭酸水素塩類等を使用するもの
【第五種】
・乾燥砂
・膨張ひる石又は膨張真珠岩
消火設備の概要
①第1種消火設備 (屋内・屋外消火栓設備)
屋内消火栓設備と屋外消火栓設備のことをいい、火災時に放射する水を貯蔵するタンクや、配管、ホース、ノズル等が設置されている。
これらの設備は水を使用するため、消火剤としての水の短所を考慮し、使用にあたっては注意が必要である。
短所 :
・一般に、油火災には使用できない。(第四類危険物)
・電気火災では感電する恐れがある。
・注水により、発熱・発火する危険物には使用できない。
(第三類危険物のうち禁水性のものなど)
・水による損害などが大きい。
②第2種消火設備 (スプリンクラー設備)
天井等にノズルを設置し、シャワー状に水を放射して消火するタイプのものである。
水を放射するため、第1種と同様に適応できない火災がある。
③第3種消火設備 (特殊消火設備)
a.水噴霧消火設備
噴霧ヘッドから水を噴霧状にして放射するもので、危険物貯蔵タンクの冷却用等に使用される。
b.泡消火設備
放出口から泡を放射して消火する設備で、空気泡消火設備と化学泡消火設備とがある。
c.不活性ガス消火設備
二酸化炭素、窒素、窒素とアルゴンの混合物、窒素、アルゴン、二酸化炭素の混合物を消火剤とした消火設備である。
d.ハロゲン化物消火設備
ハロゲン化物としては、一臭化三フッ化メタン(ハロン1301)が使用されている。
e.粉末消火設備
加圧用ガス(窒素ガス、二酸化炭素)により、粉末消火剤を噴射ヘッドまたはノズルから放射して消火する設備である。
粉末消火剤としては、りん酸塩類、炭酸水素塩類などが使用される。
④第4種消火設備(大型消火器)
大型消火器には、泡消火器、二酸化炭素消火器、粉末消火器、強化液消火器などがある。
(車両への固定積載、長時間放射が可能、放射範囲が広い)
【能力単位】
大型消火器には、消火能力の単位で表現された消火器の技術上の規格がある。
〔大型消火器の能力単位〕
普通火災(A火災)に適応するもの
:10単位以上
油火災 (B火災)に適応するもの
:20単位以上
かつ、消火剤の量が下記の数値でなければならない。
大型消火器の薬剤量
(消火器の種類と薬剤量)
・水消火器・化学泡消火器
80リットル以上
・機械泡消火器
20リットル以上
・強化液消火器
60リットル以上
・ハロゲン化物消火器
30kg以上
・二酸化炭素消火器
50kg以上
・粉末消火器
20kg以上
⑤第5種消火設備(小型消火器)
小型消火器といわれ、初期のしかも小規模火災を対象として、携帯できるように作られたものであり、水バケツまたは水槽、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩などがある。
【能力単位】
〇電気設備及び第四類の危険物を除く対象物に対するもの
水バケツ又は水槽
・消火専用バケツ
容量:8リットル 能力単位:3個にて1.0
・水槽(消火専用バケツ3個付)
容量:80リットル 能力単位:1.5
・水槽(消火専用バケツ6個付)
容量:190リットル 能力単位:2.5
〇第一類から第六類までの危険物に対するもの
乾燥砂(スコップ付)
容量:50リットル 能力単位:0.5
膨張ひる石又は膨張真珠岩(スコップ付)
容量:160リットル 能力単位:1.0
以下に規則別表第二を記載
小型消火器といわれ、初期のしかも小規模火災を対象として、携帯できるように作られたものであり、水バケツまたは水槽、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩などがある。
【能力単位】
〇電気設備及び第四類の危険物を除く対象物に対するもの
水バケツ又は水槽
・消火専用バケツ
容量:8リットル 能力単位:3個にて1.0
・水槽(消火専用バケツ3個付)
容量:80リットル 能力単位:1.5
・水槽(消火専用バケツ6個付)
容量:190リットル 能力単位:2.5
〇第一類から第六類までの危険物に対するもの
乾燥砂(スコップ付)
容量:50リットル 能力単位:0.5
膨張ひる石又は膨張真珠岩(スコップ付)
容量:160リットル 能力単位:1.0
以下に規則別表第二を記載
ポイント!
身近なものとして、ABC消火器がありますが、A火災、B火災、C火災についてそれぞれ理解をしておきましょう。
・普通可燃物(木材、紙類、繊維等)の普通火災 ⇒ A火災
・引火性液体などの油火災 ⇒ B火災
・変圧器、モータ、その他電気機器等の火災 ⇒ C火災
粉末(ABC)消火器について
消火器の区分
消火粉末を放射する消火器
(リン酸塩類等を使用するもの)
消火器の種類
粉末(ABC)消火器
消火剤の主成分
リン酸アンモニウム
圧力方式
蓄圧式・ガス加圧式
適応火災
A,B,C
主な消火効果
窒息効果・抑制効果
以下に消火器規格第38条を記載
消火器と適応火災
水消火器
水は気化熱が下記のように大きく、他の消火剤に比べて比熱も大きいため、消火剤として広く使用されている。
気化熱:1gあたり2256.3J(539cal)
消火剤として水を使用するため冷却効果が期待され、普通火災(A火災)にのみ適応する。
なお、霧状の場合には、電気火災(C火災)に適応する場合もある。
強化液消火器
炭酸カリウムを主成分とした強化液が入っており、凍結温度が低く、-20℃でも変化が少なく、寒冷地での使用が可能である。
強化液消火器には、強化液を棒状に放射するものと、霧状に放射するものとがある。冷却効果と抑制効果をもち、棒状は普通火災(A火災)に適応し、霧状に放射すればA火災、B火災、C火災に適応する。
泡消火器(化学泡消火器)
消火器の内部には2種類の容器があり、重曹(炭酸水素ナトリウム)を外筒に、硫酸アルミニウムを内筒に、それぞれ水に溶解して充填している。
使用に際しては、消火器を転倒させるなどして、この2つの溶液を混合させることで化学反応を起こさせ、発生する炭酸ガスで泡が放射される。
放射された泡は、冷却及び窒息作用により普通火災(A火災)に適応し、油面を閉塞する窒息作用により油火災(B火災)にも適応する。
ハロゲン化物消火器
ハロゲン(Cl、Br、F等の物質)を含む化合物を消火剤としている。
消火剤は液化ガス化して使用するため、ガス自身の圧力で放射する。
消火剤による抑制効果があり、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に適応する。
二酸化炭素(炭酸ガス)消火器
液化二酸化炭素(CO2)が充填されたものであるが、放射された二酸化炭素による窒息効果、冷却効果があり、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に適応する。
粉末消火器
・粉末(ABC)消火器
リン酸アンモニウムを主成分とした粉末を、二酸化炭素または、窒素ガスによって放射する。
放射された薬剤は、燃焼面の閉塞による窒息および抑制効果があり、普通火災(A火災)、油火災(B火災)に適応する。
また、薬剤は電気の不良導体であるため、電気火災(C火災)にも適応する。
・粉末(Na)消火器
炭酸水素ナトリウムを主成分とした粉末を、二酸化炭素または窒素ガスによって放射する。
普通火災に対しては適応性はなく、窒息および抑制効果があり、油火災(B火災)に適応する。
粉末(ABC)消火器用の薬剤と同様、電気火災(C火災)にも適応する。
消火器と適応火災
水消火器
水は気化熱が下記のように大きく、他の消火剤に比べて比熱も大きいため、消火剤として広く使用されている。
気化熱:1gあたり2256.3J(539cal)
消火剤として水を使用するため冷却効果が期待され、普通火災(A火災)にのみ適応する。
なお、霧状の場合には、電気火災(C火災)に適応する場合もある。
強化液消火器
炭酸カリウムを主成分とした強化液が入っており、凍結温度が低く、-20℃でも変化が少なく、寒冷地での使用が可能である。
強化液消火器には、強化液を棒状に放射するものと、霧状に放射するものとがある。冷却効果と抑制効果をもち、棒状は普通火災(A火災)に適応し、霧状に放射すればA火災、B火災、C火災に適応する。
泡消火器(化学泡消火器)
消火器の内部には2種類の容器があり、重曹(炭酸水素ナトリウム)を外筒に、硫酸アルミニウムを内筒に、それぞれ水に溶解して充填している。
使用に際しては、消火器を転倒させるなどして、この2つの溶液を混合させることで化学反応を起こさせ、発生する炭酸ガスで泡が放射される。
放射された泡は、冷却及び窒息作用により普通火災(A火災)に適応し、油面を閉塞する窒息作用により油火災(B火災)にも適応する。
ハロゲン化物消火器
ハロゲン(Cl、Br、F等の物質)を含む化合物を消火剤としている。
消火剤は液化ガス化して使用するため、ガス自身の圧力で放射する。
消火剤による抑制効果があり、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に適応する。
二酸化炭素(炭酸ガス)消火器
液化二酸化炭素(CO2)が充填されたものであるが、放射された二酸化炭素による窒息効果、冷却効果があり、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に適応する。
粉末消火器
・粉末(ABC)消火器
リン酸アンモニウムを主成分とした粉末を、二酸化炭素または、窒素ガスによって放射する。
放射された薬剤は、燃焼面の閉塞による窒息および抑制効果があり、普通火災(A火災)、油火災(B火災)に適応する。
また、薬剤は電気の不良導体であるため、電気火災(C火災)にも適応する。
・粉末(Na)消火器
炭酸水素ナトリウムを主成分とした粉末を、二酸化炭素または窒素ガスによって放射する。
普通火災に対しては適応性はなく、窒息および抑制効果があり、油火災(B火災)に適応する。
粉末(ABC)消火器用の薬剤と同様、電気火災(C火災)にも適応する。
★ 次のような問題が出題されます。★
消火設備に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
消火器に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。
(1)強化液消火器の消火剤の主成分は、炭酸カリウムである。
(2)化学泡消火器の消火剤の主成分は、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムである。
(3)機械泡消火器の消火剤の主成分は、合成界面活性剤泡又は水成膜泡である。
(4)粉末(ABC)消火器の消火剤の主成分は、二酸化炭素である。
(5)二酸化炭素消火器の消火剤の主成分は、二酸化炭素である。
【解答】
(4)
【解説】
粉末(ABC)消火器の消火剤の主成分は、リン酸アンモニウムである。