基礎的な物理学
基礎的な化学
燃焼及び消火に関する基礎理論
基礎的な化学
燃焼及び消火に関する基礎理論
基礎的な物理学
主要項目
■ 物質の状態変化
■ 気体の性質
■ 熱とその移動
■ 湿度
■ 電気と静電気
■ 物質の状態変化
■ 気体の性質
■ 熱とその移動
■ 湿度
■ 電気と静電気
■ 物質の状態変化
物質の三態
通常、物質はある時点での温度や圧力によって、固体であったり、液体であったり、気体であったりする。
例えば、水(液体)の場合には、熱を加えると水蒸気(気体)になり、冷却すると氷(固体)になる。
固体、液体、気体の状態を物質の三態という。
通常、物質はある時点での温度や圧力によって、固体であったり、液体であったり、気体であったりする。
例えば、水(液体)の場合には、熱を加えると水蒸気(気体)になり、冷却すると氷(固体)になる。
固体、液体、気体の状態を物質の三態という。
物質の三態変化
物質が加熱されたり、冷却されたりすることで、固体、液体、気体の3つのそれぞれの状態に変化することを、物質の三態変化という。
物質が加熱されたり、冷却されたりすることで、固体、液体、気体の3つのそれぞれの状態に変化することを、物質の三態変化という。
熱を加えると
氷(固体)→ 水(液体)
→ 水蒸気(気体)
冷却すると
水蒸気(気体)→ 水(液体)
→ 氷(固体)
氷(固体)→ 水(液体)
→ 水蒸気(気体)
冷却すると
水蒸気(気体)→ 水(液体)
→ 氷(固体)
物質は原子、分子からできており、これらは分子間力や電気的引力などによって互いに引き合っている。
【固体】
物質の三態のひとつである。
固体内の原子は互いに強く結合しており、粒子が規則的に並んでいるもの(金属や氷などの結晶)と、不規則に並んでいるもの(ガラスなどのアモルファス)がある。
(例)鉄、銅、氷、食塩
物質の三態のひとつである。
固体内の原子は互いに強く結合しており、粒子が規則的に並んでいるもの(金属や氷などの結晶)と、不規則に並んでいるもの(ガラスなどのアモルファス)がある。
(例)鉄、銅、氷、食塩
【液体】
物質の三態のひとつである。
流動的で、容器に合わせて形を変える。
液体は気体に比して圧縮性が小さい。
固体に熱を加えていくことで、各分子の振動が激しくなり、分子がゆるく引き合ってゆっくりと動くことができるようになった状態が液体である。
(例)水、アルコール、ガソリン
物質の三態のひとつである。
流動的で、容器に合わせて形を変える。
液体は気体に比して圧縮性が小さい。
固体に熱を加えていくことで、各分子の振動が激しくなり、分子がゆるく引き合ってゆっくりと動くことができるようになった状態が液体である。
(例)水、アルコール、ガソリン
【気体】
物質の三態のひとつである。
一定の形、体積をもたず、流動性に富むものである。分子間の引力は小さく、分子が自由に運動でき、体積は温度に比例、圧力に反比例して変化する。
(例)空気、水蒸気、ガソリン蒸気
物質の三態のひとつである。
一定の形、体積をもたず、流動性に富むものである。分子間の引力は小さく、分子が自由に運動でき、体積は温度に比例、圧力に反比例して変化する。
(例)空気、水蒸気、ガソリン蒸気
ポイント!
危険物のうち、第四類は引火性液体ですが、
・液体から気体への変化
(気化、蒸発)
・固体から気体への変化
(昇華)
は、それぞれ引火による火災発生の危険性がありますので、ここでは、「物質の三態変化」について理解し、火災予防につなげましょう。
危険物のうち、第四類は引火性液体ですが、
・液体から気体への変化
(気化、蒸発)
・固体から気体への変化
(昇華)
は、それぞれ引火による火災発生の危険性がありますので、ここでは、「物質の三態変化」について理解し、火災予防につなげましょう。
融解と凝固
固体が液体に変わることを融解といい、逆に液体が固体に変わることを凝固という。
融解の起こる温度を融点(融解点)といい、凝固の起こる温度を凝固点という。
同一圧力のもとでは同じ物質の融点と凝固点は等しい。
例えば水は0℃で固体の氷となり、氷は0℃で液体の水となる。
固体が液体に変わることを融解といい、逆に液体が固体に変わることを凝固という。
融解の起こる温度を融点(融解点)といい、凝固の起こる温度を凝固点という。
同一圧力のもとでは同じ物質の融点と凝固点は等しい。
例えば水は0℃で固体の氷となり、氷は0℃で液体の水となる。
融解熱
固体から液体に状態を変化させるためには熱を必要とし、ある一定温度まで上昇すると液体になる。
また、物質1gを融解して、同温度の液体となるのに要する熱量を融解熱(融解の潜熱)という。
固体が加熱され融解しつつあるときは、その固体が全て融解し終わるまで温度は上昇しない。これは固体が液体に変わるときに、熱エネルギーが費やされるためである。
氷の融解熱は1g当たり334.88J(80cal)である。
(1cal=4.186J)(融解熱は文献によって異なる。)
固体から液体に状態を変化させるためには熱を必要とし、ある一定温度まで上昇すると液体になる。
また、物質1gを融解して、同温度の液体となるのに要する熱量を融解熱(融解の潜熱)という。
固体が加熱され融解しつつあるときは、その固体が全て融解し終わるまで温度は上昇しない。これは固体が液体に変わるときに、熱エネルギーが費やされるためである。
氷の融解熱は1g当たり334.88J(80cal)である。
(1cal=4.186J)(融解熱は文献によって異なる。)
凝固熱
液体から固体に状態を変化させるために必要な熱のことである。
また、液体1gを凝固して、同温度の固体となるときに放出する熱量を凝固熱という。
液体が冷却され凝固しつつあるときは、その液体が全て凝固し終わるまで温度は下降しない。
これは液体が固体に変わるときに熱エネルギーを放出するからである。
物質の凝固点は融解点に等しく、凝固の際には融解熱に等しい凝固熱を放出する。
液体から固体に状態を変化させるために必要な熱のことである。
また、液体1gを凝固して、同温度の固体となるときに放出する熱量を凝固熱という。
液体が冷却され凝固しつつあるときは、その液体が全て凝固し終わるまで温度は下降しない。
これは液体が固体に変わるときに熱エネルギーを放出するからである。
物質の凝固点は融解点に等しく、凝固の際には融解熱に等しい凝固熱を放出する。
気化と凝縮(液化)
<気化>
液体が気体に変わることを気化といい、気化には、蒸発と沸騰のふたつの現象がある。
蒸発:液体を空気中で放置した場合、液体の表面から気化する現象をいう。
沸騰:液体の温度が上昇すると、飽和蒸気圧が外気の圧力に等しくなり、液面から蒸気を発生するだけではなく、液体の内部からも蒸気泡を発する現象をいう。
液体が沸騰している間は温度は一定で、この温度のことを沸点(沸騰点)という。
<気化>
液体が気体に変わることを気化といい、気化には、蒸発と沸騰のふたつの現象がある。
蒸発:液体を空気中で放置した場合、液体の表面から気化する現象をいう。
沸騰:液体の温度が上昇すると、飽和蒸気圧が外気の圧力に等しくなり、液面から蒸気を発生するだけではなく、液体の内部からも蒸気泡を発する現象をいう。
液体が沸騰している間は温度は一定で、この温度のことを沸点(沸騰点)という。
<気化熱(気化潜熱又は蒸発潜熱)>
液体1gが蒸発するときに吸収する熱量を気化熱という。
液体が加熱され蒸発しつつあるときは、その液体が全て蒸発し終わるまで温度は上昇しない。
水の蒸発熱(気化熱):2,264J/g(100℃)
ポイント!
消火用に水が使用されますが、その主な理由として、気化熱が高いこと、安価で豊富に得られること、使用方法が比較的簡単であることなどが挙げられます。
水は気化熱が高いため、燃焼物の温度を下げ、点火源となる熱を奪うことで、燃焼を持続させない冷却効果が期待されます。
<凝縮(液化)>
気体が液体に変わることを凝縮(または液化)という。
蒸気が液化する場合には、蒸発熱(気化熱)に等しい熱量を放出する。
液体1gが蒸発するときに吸収する熱量を気化熱という。
液体が加熱され蒸発しつつあるときは、その液体が全て蒸発し終わるまで温度は上昇しない。
水の蒸発熱(気化熱):2,264J/g(100℃)
ポイント!
消火用に水が使用されますが、その主な理由として、気化熱が高いこと、安価で豊富に得られること、使用方法が比較的簡単であることなどが挙げられます。
水は気化熱が高いため、燃焼物の温度を下げ、点火源となる熱を奪うことで、燃焼を持続させない冷却効果が期待されます。
<凝縮(液化)>
気体が液体に変わることを凝縮(または液化)という。
蒸気が液化する場合には、蒸発熱(気化熱)に等しい熱量を放出する。
昇華・昇華熱
固体が液体の状態を経ないで直接気体になることを昇華といい、逆に気体が冷えて直接固体になることも昇華という。
昇華するときに吸収又は放出する熱量を昇華熱という。
昇華熱は当該物質の融解熱に蒸発熱を加えたものとほぼ等しくなる。
[例]
・ドライアイス(二酸化炭素が冷却され固体となったもの)
・ナフタリン
固体が液体の状態を経ないで直接気体になることを昇華といい、逆に気体が冷えて直接固体になることも昇華という。
昇華するときに吸収又は放出する熱量を昇華熱という。
昇華熱は当該物質の融解熱に蒸発熱を加えたものとほぼ等しくなる。
[例]
・ドライアイス(二酸化炭素が冷却され固体となったもの)
・ナフタリン
=潮解=
固体の物質が空気中の水分を吸収し溶解する現象をいう。
[例]
潮解性の物質:
水酸化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カルシウム
固体の物質が空気中の水分を吸収し溶解する現象をいう。
[例]
潮解性の物質:
水酸化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カルシウム
=風解=
結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくと、自然に結晶水の一部又は全部を失って粉末状になる現象をいう。
[例]
風解性の物質:
結晶炭酸ナトリウム、結晶硫酸ナトリウム
結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくと、自然に結晶水の一部又は全部を失って粉末状になる現象をいう。
[例]
風解性の物質:
結晶炭酸ナトリウム、結晶硫酸ナトリウム
密度
それぞれの物質の単位体積当たりの質量をいう。
一般に、固体や液体の密度は1立方センチメートル当たりの質量で表わす。
(単位g/立方センチメートル)
それぞれの物質の単位体積当たりの質量をいう。
一般に、固体や液体の密度は1立方センチメートル当たりの質量で表わす。
(単位g/立方センチメートル)
比重(固体又は液体)
ある物質の質量と、それと同体積の1気圧のもとでの4℃の純水の質量との比をいう。
ポイント!
危険物による火災に対して、注水消火することがありますが、水よりも比重の小さい(軽い)危険物は、危険物そのものが水に浮いて遠くまで流されるため、火災範囲が拡大することが予想されますので、注意が必要です。
比重について、理解、把握しておくことで、火災の予防と、適切な消火活動につなげましょう。
ある物質の質量と、それと同体積の1気圧のもとでの4℃の純水の質量との比をいう。
ポイント!
危険物による火災に対して、注水消火することがありますが、水よりも比重の小さい(軽い)危険物は、危険物そのものが水に浮いて遠くまで流されるため、火災範囲が拡大することが予想されますので、注意が必要です。
比重について、理解、把握しておくことで、火災の予防と、適切な消火活動につなげましょう。
水の温度・体積
水は、条件によって、氷、水、水蒸気と状態変化がみられるが、凝固して氷の状態で体積が増加する。
水の体積は、温度によって変化し、4℃で体積が最小となり、1gの体積は1立方センチメートルとなる。
水は、条件によって、氷、水、水蒸気と状態変化がみられるが、凝固して氷の状態で体積が増加する。
水の体積は、温度によって変化し、4℃で体積が最小となり、1gの体積は1立方センチメートルとなる。
蒸気比重
気体や蒸気の比重は、それと同体積の0℃1気圧(標準状態)における空気1Lの質量との比をいう。
[例] 蒸気比重
ガソリン:3~4 灯油:4.5
ポイント!
危険物の中でも、蒸気比重の大きいもの(空気よりも重たいもの)は、蒸気が地面の上を這うようにして遠くまで移動することがあるため、遠くの火源が原因して火災につながる危険性があります。
蒸気比重に関する問題は頻出ですので、代表的な危険物について数値を暗記しておきましょう。
気体や蒸気の比重は、それと同体積の0℃1気圧(標準状態)における空気1Lの質量との比をいう。
[例] 蒸気比重
ガソリン:3~4 灯油:4.5
ポイント!
危険物の中でも、蒸気比重の大きいもの(空気よりも重たいもの)は、蒸気が地面の上を這うようにして遠くまで移動することがあるため、遠くの火源が原因して火災につながる危険性があります。
蒸気比重に関する問題は頻出ですので、代表的な危険物について数値を暗記しておきましょう。
空気の組成
空気は、蒸気比重を算出するにあたっての基準となる物質である。
空気は化合物ではなく混合物で、窒素78%、酸素20.9%、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気などを含んでいる。
空気は、混合気体であるため分子量はないが、蒸気比重算出にあたって、次のように仮の分子量を29として扱う。
原子量:
窒素N=14
(空気中ではN2として存在)
酸素O=16
(空気中ではO2として存在)
空気の分子量:
(14×2×0.78) + (16×2×0.21)
=28.56
≒29
空気は、蒸気比重を算出するにあたっての基準となる物質である。
空気は化合物ではなく混合物で、窒素78%、酸素20.9%、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気などを含んでいる。
空気は、混合気体であるため分子量はないが、蒸気比重算出にあたって、次のように仮の分子量を29として扱う。
原子量:
窒素N=14
(空気中ではN2として存在)
酸素O=16
(空気中ではO2として存在)
空気の分子量:
(14×2×0.78) + (16×2×0.21)
=28.56
≒29
圧力
単位面積当たりに働く力のことを圧力という。
1平方メートルに1N(ニュートン)の力を与える圧力
1Pa(パスカル)
≪参考≫
1N =1kg・m・毎秒毎秒
1Pa=約 10.197kgf/平方メートル
単位面積当たりに働く力のことを圧力という。
1平方メートルに1N(ニュートン)の力を与える圧力
1Pa(パスカル)
≪参考≫
1N =1kg・m・毎秒毎秒
1Pa=約 10.197kgf/平方メートル
1気圧(atm)
≒1.013×10の5乗Pa
≒101.3kPa
≒1013hPa(ヘクトパスカル)
≒1.013×10の5乗Pa
≒101.3kPa
≒1013hPa(ヘクトパスカル)
(別の見方)
1気圧(atm)
=水銀柱760mmHg
=水柱10.33m
(1.033kgf/平方センチメートル)
=1013hPa(ヘクトパスカル)
1気圧(atm)
=水銀柱760mmHg
=水柱10.33m
(1.033kgf/平方センチメートル)
=1013hPa(ヘクトパスカル)
大気が地球の表面に及ぼす圧力を「大気圧」といい、標準状態(0℃、1気圧)における気圧を「標準大気圧」という。
圧力計は、大気圧との差を示すようにできているが、大気圧(1気圧)を0とした圧力を示すもので、これを「ゲージ圧」という。
圧力を示す場合に、完全な真空を基準にしたものを「絶対圧力」といい、ゲージ圧力と区別している。
圧力計は、大気圧との差を示すようにできているが、大気圧(1気圧)を0とした圧力を示すもので、これを「ゲージ圧」という。
圧力を示す場合に、完全な真空を基準にしたものを「絶対圧力」といい、ゲージ圧力と区別している。
★ 次のような問題が出題されます。★
物質が加熱されたり、冷却されたりすることで、固体、液体、気体の3つのそれぞれの状態に変化することを、物質の三態変化といいます。
物資の三態に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
物質の三態変化についての記述で、次のうち誤っているものはどれか。
(1)固体と液体と気体の三つの状態を、物質の三態と呼んでいる。
(2)液体が固体に変わる変化を凝固という。
(3)凝縮又は液化とは、固体が液体に変化することをいう。
(4)昇華とは、ナフタリンが蒸気になるように、固体から気体に直接変化することや、気体から固体に直接変化することをいう。
(5)固体が液体に変わる変化を融解という。
【解答】
(3)
【解説】
凝縮又は液化とは、気体が液体に変化することをいい、固体が液体に変わる変化は融解という。