危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
主要項目
■ 危険物の分類と
類別の性質
■ 第四類危険物
(引火性液体)
■ 第四類危険物の
品名ごとの一般的性質
■ 第四類以外の危険物
■第四類危険物(引火性液体)
第四類危険物は、消防法別表第一の第四類の項の品名欄に掲げる物品で、引火性液体の性状を有するものである。
引火点によって、
特殊引火物、第一石油類、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類
の7つに分類されている。
(1)共通する特性
① ほとんどの第四類危険物は、比重は1よりも小さく、水に溶けないものが多い。
流出すると水の液面に広がって火災の危険が大きくなる。
② 引火性の液体であり、蒸気は空気との混合物を作り、点火源による引火または爆発の危険性がある。
③ 蒸気比重が1より大きいため、蒸気は空気よりも重く、低所に滞留するか、または低所に流れる。このため、遠く離れた場所にある点火源により引火する危険性がある。
④ 発火点の低いものがあり、点火源がなくても、蒸気配管等に接触し加熱されただけでも発火するものもある。
⑤ 電気の不良導体であるため、静電気が蓄積されやすい。蓄積された静電気が放電するときに発生する火花により、引火することがある。
(2)共通する火災予防の方法
① 炎、火花、高温体等との接近又は加熱を避ける。
② みだりに蒸気を発生させない。
③ 容器は密封して冷暗所に貯蔵する。
④ 蒸気が発生するような取り扱いをする場合は、可燃性蒸気が低所に滞留しないように、十分な通風、換気を行う。(燃焼範囲の下限界よりも低くする。)
⑤ 火花を発生する機械器具などを使用しない。
⑥ 危険物の流動等により静電気が発生するおそれがある場合には、接地(アース)して静電気を除去する。
(3)共通する消火の方法
第四類危険物の消火では、可燃性の除去や冷却による方法は困難である。
また、液比重が1より小さい危険物の火災に注水すると、危険物が水の液面に広がり、火災範囲を広げるため、水による消火は適当でない。
① 消火薬剤として霧状の強化液、泡、ハロゲン化物、粉末、二酸化炭素等を活用した窒息作用による消火が適している。
② 霧状放射の強化液、ハロゲン化物および粉末を活用した抑制作用による消火が適している。
③ アルコール、アセトン等の水溶性の危険物の場合は、水に溶けて泡が消滅しやすいので、水溶性液体用泡消火薬剤(耐アルコール泡)が適している。
主要項目
■ 危険物の分類と
類別の性質
■ 第四類危険物
(引火性液体)
■ 第四類危険物の
品名ごとの一般的性質
■ 第四類以外の危険物
■第四類危険物(引火性液体)
第四類危険物は、消防法別表第一の第四類の項の品名欄に掲げる物品で、引火性液体の性状を有するものである。
引火点によって、
特殊引火物、第一石油類、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類
の7つに分類されている。
(1)共通する特性
① ほとんどの第四類危険物は、比重は1よりも小さく、水に溶けないものが多い。
流出すると水の液面に広がって火災の危険が大きくなる。
② 引火性の液体であり、蒸気は空気との混合物を作り、点火源による引火または爆発の危険性がある。
③ 蒸気比重が1より大きいため、蒸気は空気よりも重く、低所に滞留するか、または低所に流れる。このため、遠く離れた場所にある点火源により引火する危険性がある。
④ 発火点の低いものがあり、点火源がなくても、蒸気配管等に接触し加熱されただけでも発火するものもある。
⑤ 電気の不良導体であるため、静電気が蓄積されやすい。蓄積された静電気が放電するときに発生する火花により、引火することがある。
(2)共通する火災予防の方法
① 炎、火花、高温体等との接近又は加熱を避ける。
② みだりに蒸気を発生させない。
③ 容器は密封して冷暗所に貯蔵する。
④ 蒸気が発生するような取り扱いをする場合は、可燃性蒸気が低所に滞留しないように、十分な通風、換気を行う。(燃焼範囲の下限界よりも低くする。)
⑤ 火花を発生する機械器具などを使用しない。
⑥ 危険物の流動等により静電気が発生するおそれがある場合には、接地(アース)して静電気を除去する。
(3)共通する消火の方法
第四類危険物の消火では、可燃性の除去や冷却による方法は困難である。
また、液比重が1より小さい危険物の火災に注水すると、危険物が水の液面に広がり、火災範囲を広げるため、水による消火は適当でない。
① 消火薬剤として霧状の強化液、泡、ハロゲン化物、粉末、二酸化炭素等を活用した窒息作用による消火が適している。
② 霧状放射の強化液、ハロゲン化物および粉末を活用した抑制作用による消火が適している。
③ アルコール、アセトン等の水溶性の危険物の場合は、水に溶けて泡が消滅しやすいので、水溶性液体用泡消火薬剤(耐アルコール泡)が適している。
★ 次のような問題が出題されます。★
第四類危険物に共通する性質に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
第四類危険物に共通する性質として、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水よりも軽いものが多い。
(2)蒸気は空気より重い。
(3)流動性があり、火災の拡大危険がある。
(4)水に溶けるものが多い。
(5)電気の不良導体で、静電気が蓄積されやすい。
【解答】
(4)
【解説】
第四類危険物に共通する性質は次のとおりである。
①液比重は1より小さいものが多い。
②蒸気比重は1より大きい。従って蒸気は低所に滞留し、低く遠くまで流れる。
③液体は流動性があり、火災の拡大危険がある。
④水には溶けないものが多い。
⑤電気の不良導体で静電気が蓄積されやすく、静電気の放電火花によって引火することがある。
⑥いずれも引火性液体であり、火気等により引火または爆発の危険性が大きい。
⑦有機化合物のものが多い。