危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
第三石油類
<非水溶性液体>
重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン
<水溶性液体>
エチレングリコール、グリセリン
《第三石油類》
第三石油類とは、重油、クレオソート油その他1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものをいう。
塗料類その他の物品であって、組成を勘案して、次のものは、第三石油類から除外される。
:可燃性液体量が40%以下のもの
重 油
品名:第3石油類
化学式: -
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.9~1.0
蒸気比重: -
引火点:60~150℃
発火点:250~380℃
沸点:300℃以上
融点: -
燃焼範囲: -
【性 状】
①褐色また暗褐色の粘性のある液体である。
②水には溶けない。
③不純物として含まれる硫黄は燃えると有毒ガスになる。
重油には動粘度により、1種(A重油)2種(B重油)及び3種(C重油)などがあり、1種と2種の引火点は日本工業規格では60℃以上、3種は70℃以上と規定されている。
【危険性】
①引火点が60~150℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③重油がしみ込んだ布等は、自然発火に注意すること。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②第一類危険物との混触を避ける。
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
クレオソート油
品名:第3石油類
化学式: -
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.0以上
蒸気比重: -
引火点:73.9℃
発火点:336.1℃
沸点:200℃以上
融点: -
燃焼範囲: -
【性 状】
①黄色又は暗緑色の液体である。
②特有の臭気がある。
③水には溶けないが、アルコール、ベンゼン、トルエン等に溶ける。
【危険性】
①引火点が73.9℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③有毒である。
【火災予防の方法】
第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
アニリン
品名:第3石油類
化学式:C6H5NH2
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.01
蒸気比重:3.2
引火点:70℃
発火点:615℃
沸点:184.6℃
融点:-6℃
燃焼範囲:1.3~22vol%
【性 状】
①無色又は淡黄色の液体である。
②特有の臭気がある。
③普通は光又は空気の作用により褐色に変化している。
④水には溶けにくいが、エチルアルコール、ジエチルエーテル等にはよく溶ける。
【危険性】
①引火点が70℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③化学的に活発であり、酸化されやすく、酸と反応しやすく、アルカリ金属と反応しやすい。
④極めて有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化剤と混触すると発熱し、衝撃や摩擦によって発火するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
ニトロベンゼン
品名:第3石油類
化学式:C6H5NO2
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.2
蒸気比重:4.3
引火点:88℃
発火点:482℃
沸点:211℃
融点:5.8℃
燃焼範囲:1.8~40vol%
【性 状】
①淡黄色又は暗黄色の液体である。
②芳香臭がある。
③水には溶けにくいが、エチルアルコール、ジエチルエーテル等には溶ける。
④ベンゼン環にニトロ基がついたニトロ化合物であるが、炭化水素の性質を有し、爆発性はない。
【危険性】
①引火点が88℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
②加熱・衝撃によって発熱・発火する。
③蒸気は有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化物との混触により発熱するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
①泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
②比重が1.2と水よりも重いので小規模火災の場合には、水噴霧でも有効である。
エチレングリコール
品名:第3石油類
化学式:C2H4(OH)2
指定数量:4000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.1
蒸気比重:2.1
引火点:111℃
発火点:398℃
沸点:197.9℃
融点:-12.3℃
燃焼範囲:3.2~12vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②甘味があり、粘性を有する。
③水やアルコールに溶ける。ジエチルエーテルにはわずかしか溶けない。
【危険性】
引火点が111℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化物との混触により発熱するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
粉末、二酸化炭素、耐アルコール泡等の消火剤が有効である。
グリセリン
品名:第3石油類
化学式:C3H5(OH)3
指定数量:4000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.26
蒸気比重:3.17
引火点:199℃
発火点:370℃
沸点:290℃
融点:19℃
燃焼範囲:2.4~32vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②粘性を有する。
③水やアルコールに溶ける。二硫化炭素、ベンゼン等には溶けない。
【危険性】
引火点が199℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②第一類危険物との混触を避ける。
【消火の方法】
①粉末、二酸化炭素、泡、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
②泡を使用する際、液温が高い場合には、有効な消火ができないことがあるので注意が必要である。
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
第三石油類
<非水溶性液体>
重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン
<水溶性液体>
エチレングリコール、グリセリン
《第三石油類》
第三石油類とは、重油、クレオソート油その他1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものをいう。
塗料類その他の物品であって、組成を勘案して、次のものは、第三石油類から除外される。
:可燃性液体量が40%以下のもの
重 油
品名:第3石油類
化学式: -
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.9~1.0
蒸気比重: -
引火点:60~150℃
発火点:250~380℃
沸点:300℃以上
融点: -
燃焼範囲: -
【性 状】
①褐色また暗褐色の粘性のある液体である。
②水には溶けない。
③不純物として含まれる硫黄は燃えると有毒ガスになる。
重油には動粘度により、1種(A重油)2種(B重油)及び3種(C重油)などがあり、1種と2種の引火点は日本工業規格では60℃以上、3種は70℃以上と規定されている。
【危険性】
①引火点が60~150℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③重油がしみ込んだ布等は、自然発火に注意すること。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②第一類危険物との混触を避ける。
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
クレオソート油
品名:第3石油類
化学式: -
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.0以上
蒸気比重: -
引火点:73.9℃
発火点:336.1℃
沸点:200℃以上
融点: -
燃焼範囲: -
【性 状】
①黄色又は暗緑色の液体である。
②特有の臭気がある。
③水には溶けないが、アルコール、ベンゼン、トルエン等に溶ける。
【危険性】
①引火点が73.9℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③有毒である。
【火災予防の方法】
第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
アニリン
品名:第3石油類
化学式:C6H5NH2
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.01
蒸気比重:3.2
引火点:70℃
発火点:615℃
沸点:184.6℃
融点:-6℃
燃焼範囲:1.3~22vol%
【性 状】
①無色又は淡黄色の液体である。
②特有の臭気がある。
③普通は光又は空気の作用により褐色に変化している。
④水には溶けにくいが、エチルアルコール、ジエチルエーテル等にはよく溶ける。
【危険性】
①引火点が70℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ないが、霧状になったものは引火点以下であっても危険である。
②燃焼温度が高いため、一旦燃焼し始めると、消火が困難になる。
③化学的に活発であり、酸化されやすく、酸と反応しやすく、アルカリ金属と反応しやすい。
④極めて有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化剤と混触すると発熱し、衝撃や摩擦によって発火するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
ニトロベンゼン
品名:第3石油類
化学式:C6H5NO2
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.2
蒸気比重:4.3
引火点:88℃
発火点:482℃
沸点:211℃
融点:5.8℃
燃焼範囲:1.8~40vol%
【性 状】
①淡黄色又は暗黄色の液体である。
②芳香臭がある。
③水には溶けにくいが、エチルアルコール、ジエチルエーテル等には溶ける。
④ベンゼン環にニトロ基がついたニトロ化合物であるが、炭化水素の性質を有し、爆発性はない。
【危険性】
①引火点が88℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
②加熱・衝撃によって発熱・発火する。
③蒸気は有毒である。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化物との混触により発熱するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
①泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末により窒息消火する。
②比重が1.2と水よりも重いので小規模火災の場合には、水噴霧でも有効である。
エチレングリコール
品名:第3石油類
化学式:C2H4(OH)2
指定数量:4000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.1
蒸気比重:2.1
引火点:111℃
発火点:398℃
沸点:197.9℃
融点:-12.3℃
燃焼範囲:3.2~12vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②甘味があり、粘性を有する。
③水やアルコールに溶ける。ジエチルエーテルにはわずかしか溶けない。
【危険性】
引火点が111℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②酸化物との混触により発熱するので、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
粉末、二酸化炭素、耐アルコール泡等の消火剤が有効である。
グリセリン
品名:第3石油類
化学式:C3H5(OH)3
指定数量:4000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.26
蒸気比重:3.17
引火点:199℃
発火点:370℃
沸点:290℃
融点:19℃
燃焼範囲:2.4~32vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②粘性を有する。
③水やアルコールに溶ける。二硫化炭素、ベンゼン等には溶けない。
【危険性】
引火点が199℃であるため、加熱しない限り引火する危険性は少ない。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②第一類危険物との混触を避ける。
【消火の方法】
①粉末、二酸化炭素、泡、ハロゲン化物等の消火剤が有効である。
②泡を使用する際、液温が高い場合には、有効な消火ができないことがあるので注意が必要である。
★ 次のような問題が出題されます。★
第三石油類(例:重油)に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
重油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)引火点は60℃以上である。
(2)発火点は250~380℃である。
(3)火災の際、液温が高くなり、消火が困難である。
(4)無色透明の液体である。
(5)比重は0.9~1.0と一般に水よりやや軽い。
【解答】
(4)
【解説】
褐色又は暗褐色の粘性のある液体である。