危険物取扱者の資格は、国家資格のなかでも最も人気のある資格のひとつです。有資格者は人材としての需要が高く、仕事に結びつきやすいといえます。
比較的取得のしやすい資格で、特に乙種第四類は受験者数も多く、合格率は30%~40%程度です。
以下に概要を記載していますので、是非、受験されますことをお勧めいたします。
危険物取扱者試験の概要
◆危険物取扱者試験について
危険物取扱者になるためには、都道府県知事の委任を受けた「一般財団法人消防試験研究センター」が実施する危険物取扱者試験に合格した上で、都道府県知事に対して必要な手続きを行い、免状の交付を受けなければなりません。
◆危険物取扱者の活躍の場
甲種危険物取扱者:全ての類の危険物の取扱作業及び取扱作業の立会いができます。
乙種危険物取扱者:取得した類の危険物の取扱作業及び取扱作業の立会いができます。
丙種危険物取扱者:第四類のうち指定された危険物※の取扱作業ができます。
※:ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のものに限る。)第四石油類及び動植物油類
また6カ月以上の実務経験を重ねると、甲種は全ての類の危険物について、乙種は取得した類の危険物について、危険物保安監督者になることができます。主要な産業界の多数の危険物施設では、危険物取扱者が活躍されています。
◆試験科目・問題数・試験時間
【甲種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 15問
② 物理学及び化学 10問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 20問
合計 45問
試験時間 2時間30分
【乙種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 15問
② 基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問
合計 35問
試験時間 2時間
【丙種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 10問
② 燃焼及び消火に関する基礎知識 5問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問
合計 25問
試験時間 1時間15分
◆試験の方法
甲種・乙種は五肢択一方式、丙種は四肢択一方式の筆記試験で行われます。問題用紙と解答カードが配布され、解答カードの正解番号を鉛筆で塗りつぶす、いわゆる「マークシート方式」で行われます。
◆合格の基準
試験科目毎にそれぞれ100点満点で採点し、各科目60点以上を合格としています。1科目でも60点に満たない科目があれば不合格となります。
◆試験科目の一部免除
甲種:科目・問題の一部免除の制度はありません。
乙種:既に他の類の乙種危険物取扱者免状を所有している人は、「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目が免除されます。したがって、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」のみを受験すれば良いことになっています。
丙種に関する免除、その他、免除の詳細については、一般財団法人消防試験研究センターのホームページをご覧ください。
◆受験資格
【甲種】
〇「大学等卒」:大学等において化学に関する学科等を卒業した者
〇「15単位」:大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
〇「実務2年」:乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱の実務経験が2年以上の者
〇「4種類の免状」:以下の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けた者
・第一類又は第六類(酸化性固体又は酸化性液体)
・第二類又は第四類(可燃性固体又は引火性液体)
・第三類(自然発火性物質及び禁水性物質)
・第五類(自己反応性物質)
〇「学位」:修士、博士の学位を授与された者で化学の事項を専攻した者(外国の同学位も含む)。
〇上記に準ずる者として消防庁長官が定める者
【乙種・丙種】
誰でも受験できます。
◆受験申請手続
<受験の申請>
申請方法には、「書面申請」と「電子申請」があり、以下のとおりです。
1.「書面申請」
受験申請に必要な書類(書面申請のみ)
受験する試験の種類ごとに必要な書類を揃えた上、受付期間内に申請が必要です。
(1)受験願書
(2)甲種危険物取扱者試験を受験する者は、受験資格を証明する書類(卒業証書、免状等のコピー(縮小したものも可)、卒業証明書、単位修得証明書等)
(3)乙種危険物取扱者試験で火薬類免状による科目免除を受ける者は「火薬類免状」のコピー
(4) 丙種危険物取扱者試験で科目免除を受ける者は、消防団長、消防学校長が証明する書類
(5)既に「危険物取扱者免状」を取得している者は、既得免状のコピー
(6)「郵便振替払込受付証明書(受験願書添付用)」(受験願書と一緒に配布しています。)
2.「電子申請」
一般財団法人消防試験研究センターのホームページから申請してください。
◆合格発表と免状交付申請
試験の結果は、「試験結果通知書」が郵送されるとともに、一般財団法人消防試験研究センターの各都道府県支部で氏名が発表されます。
また、上記センターのホームページでも発表されます。
合格通知書が送付された場合には、都道府県知事に対して免状交付申請を行います。手続きには「危険物取扱者免状交付申請書1通」、「合格通知書」、「手数料」が必要となります。
◆お問い合わせ先
受験に関する詳細につきましては、一般財団法人消防試験研究センターのホームページをご参照願います。
危険物取扱者の資格取得に必要とする知識について、下記に記載しています。
当サイトでは、下記の知識を習得するにあたって、ご自由に活用していただきたく、教材や例題等を紹介していますので、お気軽にご覧頂ければと思っています。
閲覧にあたって、以下をクリックしてください。
乙種第四類
教材 法令
教材 物・化・燃焼消火
教材 性質・予防・消火
乙種第四類
例題・模擬試験問題
必要な知識
(乙種第四類の例)
危険物に関する法令
ポイント!
・法令に関しては、特に、消防法上の危険物とはどのようなものなのか、何故、物品ごとに指定数量が定められていて、そして、その数値の大小によって管理方法が異なっているのかについて、常に意識しながら勉強を進めることが大切です。
○ 消防法(法)
○ 危険物の規制に関する政令(政令)
○ 危険物の規制に関する規則(規則)
○ 危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(告示)
■ 消防法上の危険物(定義、指定数量、法令の体系)
■ 各種申請・届出手続き
■ 危険物取扱者制度
■ 危険物施設(製造所等)の位置・構造・設備の基準
■ 消火設備・警報設備・避難設備の基準
■ 貯蔵及び取扱いの基準
■ 運搬及び移送の基準
■ 義務違反に対する措置(行政命令等)
基礎的な物理学 及び 基礎的な化学
基礎的な物理学
ポイント!
・物理学に関しては、高校で習う物理の基礎が理解できておれば良いと思います。
・特に、気体、液体、固体の三態変化については十分理解しておきましょう。
・また、熱の移動の仕方について理解しておくことは、火災の発生、予防の理解につなげることができます。
■ 物質の状態変化(物質の三態、融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華 等)
■ 気体の性質(ボイル・シャルルの法則 等)
■ 熱(熱量・比熱・熱容量 等)
■ 熱の移動(伝導・対流・放射(ふく射)等)
■ 湿度
■ 電気と静電気
基礎的な化学
ポイント!
・化学に関しては、物理変化と化学変化との違いに関して、具体的な事例を覚えておきましょう。
・主な化学の基本法則を覚えておくことで、他の項目の理解につなげることができます。
■ 物資の変化と種類
■ 元素・原子・分子
■ 化学の基本法則(質量保存の法則・アボガドロの法則 等)
■ 熱化学(反応熱、熱化学方程式 等)
■ 溶液(溶解度、濃度 等)
■ 酸・塩基・塩、酸化と還元
■ 金属と非金属(性質の比較、イオン化傾向 等)
■ 有機化合物の特性
燃焼・消火の理論
ポイント!
・燃焼・消火の理論では、可燃性物質・酸素供給体・熱源の「燃焼の三要素」が特に重要です。
・代表的な物品について、比重、引火点、発火点、燃焼範囲などを暗記しておきましょう。
・「燃焼範囲(爆発範囲)」について理解しておくことは、危険物の取扱い・保管方法において、より安全性を高めることにつながります。
■ 燃焼に関する基礎理論
■ 消火に関する基礎理論
■ 消火設備
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
ポイント!
・代表的な物品について、特性、危険性、火災予防の方法、消火の方法を覚えておきましょう。
■ 危険物の分類と類別の性質
■ 第四類危険物 (引火性液体)
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
(共通する特性、危険性、火災予防の方法、消火の方法)
■ 第四類以外の危険物の性質等
【 ご 参 考 】
私の経験上、上記に記載の知識は、危険物の取扱いだけではなく、放射性物質の取扱い、電気関連設備の点検などの各種業務で役立てることができました。
技術系のお仕事を目指されておられる方は、危険物取扱者の資格を取得されてはどうでしょうか。
比較的取得のしやすい資格で、特に乙種第四類は受験者数も多く、合格率は30%~40%程度です。
以下に概要を記載していますので、是非、受験されますことをお勧めいたします。
危険物取扱者試験の概要
◆危険物取扱者試験について
危険物取扱者になるためには、都道府県知事の委任を受けた「一般財団法人消防試験研究センター」が実施する危険物取扱者試験に合格した上で、都道府県知事に対して必要な手続きを行い、免状の交付を受けなければなりません。
◆危険物取扱者の活躍の場
甲種危険物取扱者:全ての類の危険物の取扱作業及び取扱作業の立会いができます。
乙種危険物取扱者:取得した類の危険物の取扱作業及び取扱作業の立会いができます。
丙種危険物取扱者:第四類のうち指定された危険物※の取扱作業ができます。
※:ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のものに限る。)第四石油類及び動植物油類
また6カ月以上の実務経験を重ねると、甲種は全ての類の危険物について、乙種は取得した類の危険物について、危険物保安監督者になることができます。主要な産業界の多数の危険物施設では、危険物取扱者が活躍されています。
◆試験科目・問題数・試験時間
【甲種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 15問
② 物理学及び化学 10問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 20問
合計 45問
試験時間 2時間30分
【乙種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 15問
② 基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問
合計 35問
試験時間 2時間
【丙種】
試験科目及び問題数
① 危険物に関する法令 10問
② 燃焼及び消火に関する基礎知識 5問
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問
合計 25問
試験時間 1時間15分
◆試験の方法
甲種・乙種は五肢択一方式、丙種は四肢択一方式の筆記試験で行われます。問題用紙と解答カードが配布され、解答カードの正解番号を鉛筆で塗りつぶす、いわゆる「マークシート方式」で行われます。
◆合格の基準
試験科目毎にそれぞれ100点満点で採点し、各科目60点以上を合格としています。1科目でも60点に満たない科目があれば不合格となります。
◆試験科目の一部免除
甲種:科目・問題の一部免除の制度はありません。
乙種:既に他の類の乙種危険物取扱者免状を所有している人は、「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目が免除されます。したがって、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」のみを受験すれば良いことになっています。
丙種に関する免除、その他、免除の詳細については、一般財団法人消防試験研究センターのホームページをご覧ください。
◆受験資格
【甲種】
〇「大学等卒」:大学等において化学に関する学科等を卒業した者
〇「15単位」:大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
〇「実務2年」:乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱の実務経験が2年以上の者
〇「4種類の免状」:以下の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けた者
・第一類又は第六類(酸化性固体又は酸化性液体)
・第二類又は第四類(可燃性固体又は引火性液体)
・第三類(自然発火性物質及び禁水性物質)
・第五類(自己反応性物質)
〇「学位」:修士、博士の学位を授与された者で化学の事項を専攻した者(外国の同学位も含む)。
〇上記に準ずる者として消防庁長官が定める者
【乙種・丙種】
誰でも受験できます。
◆受験申請手続
<受験の申請>
申請方法には、「書面申請」と「電子申請」があり、以下のとおりです。
1.「書面申請」
受験申請に必要な書類(書面申請のみ)
受験する試験の種類ごとに必要な書類を揃えた上、受付期間内に申請が必要です。
(1)受験願書
(2)甲種危険物取扱者試験を受験する者は、受験資格を証明する書類(卒業証書、免状等のコピー(縮小したものも可)、卒業証明書、単位修得証明書等)
(3)乙種危険物取扱者試験で火薬類免状による科目免除を受ける者は「火薬類免状」のコピー
(4) 丙種危険物取扱者試験で科目免除を受ける者は、消防団長、消防学校長が証明する書類
(5)既に「危険物取扱者免状」を取得している者は、既得免状のコピー
(6)「郵便振替払込受付証明書(受験願書添付用)」(受験願書と一緒に配布しています。)
2.「電子申請」
一般財団法人消防試験研究センターのホームページから申請してください。
◆合格発表と免状交付申請
試験の結果は、「試験結果通知書」が郵送されるとともに、一般財団法人消防試験研究センターの各都道府県支部で氏名が発表されます。
また、上記センターのホームページでも発表されます。
合格通知書が送付された場合には、都道府県知事に対して免状交付申請を行います。手続きには「危険物取扱者免状交付申請書1通」、「合格通知書」、「手数料」が必要となります。
◆お問い合わせ先
受験に関する詳細につきましては、一般財団法人消防試験研究センターのホームページをご参照願います。
危険物取扱者の資格取得に必要とする知識について、下記に記載しています。
当サイトでは、下記の知識を習得するにあたって、ご自由に活用していただきたく、教材や例題等を紹介していますので、お気軽にご覧頂ければと思っています。
閲覧にあたって、以下をクリックしてください。
乙種第四類
教材 法令
教材 物・化・燃焼消火
教材 性質・予防・消火
乙種第四類
例題・模擬試験問題
必要な知識
(乙種第四類の例)
危険物に関する法令
ポイント!
・法令に関しては、特に、消防法上の危険物とはどのようなものなのか、何故、物品ごとに指定数量が定められていて、そして、その数値の大小によって管理方法が異なっているのかについて、常に意識しながら勉強を進めることが大切です。
○ 消防法(法)
○ 危険物の規制に関する政令(政令)
○ 危険物の規制に関する規則(規則)
○ 危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(告示)
■ 消防法上の危険物(定義、指定数量、法令の体系)
■ 各種申請・届出手続き
■ 危険物取扱者制度
■ 危険物施設(製造所等)の位置・構造・設備の基準
■ 消火設備・警報設備・避難設備の基準
■ 貯蔵及び取扱いの基準
■ 運搬及び移送の基準
■ 義務違反に対する措置(行政命令等)
基礎的な物理学 及び 基礎的な化学
基礎的な物理学
ポイント!
・物理学に関しては、高校で習う物理の基礎が理解できておれば良いと思います。
・特に、気体、液体、固体の三態変化については十分理解しておきましょう。
・また、熱の移動の仕方について理解しておくことは、火災の発生、予防の理解につなげることができます。
■ 物質の状態変化(物質の三態、融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華 等)
■ 気体の性質(ボイル・シャルルの法則 等)
■ 熱(熱量・比熱・熱容量 等)
■ 熱の移動(伝導・対流・放射(ふく射)等)
■ 湿度
■ 電気と静電気
基礎的な化学
ポイント!
・化学に関しては、物理変化と化学変化との違いに関して、具体的な事例を覚えておきましょう。
・主な化学の基本法則を覚えておくことで、他の項目の理解につなげることができます。
■ 物資の変化と種類
■ 元素・原子・分子
■ 化学の基本法則(質量保存の法則・アボガドロの法則 等)
■ 熱化学(反応熱、熱化学方程式 等)
■ 溶液(溶解度、濃度 等)
■ 酸・塩基・塩、酸化と還元
■ 金属と非金属(性質の比較、イオン化傾向 等)
■ 有機化合物の特性
燃焼・消火の理論
ポイント!
・燃焼・消火の理論では、可燃性物質・酸素供給体・熱源の「燃焼の三要素」が特に重要です。
・代表的な物品について、比重、引火点、発火点、燃焼範囲などを暗記しておきましょう。
・「燃焼範囲(爆発範囲)」について理解しておくことは、危険物の取扱い・保管方法において、より安全性を高めることにつながります。
■ 燃焼に関する基礎理論
■ 消火に関する基礎理論
■ 消火設備
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
ポイント!
・代表的な物品について、特性、危険性、火災予防の方法、消火の方法を覚えておきましょう。
■ 危険物の分類と類別の性質
■ 第四類危険物 (引火性液体)
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
(共通する特性、危険性、火災予防の方法、消火の方法)
■ 第四類以外の危険物の性質等
【 ご 参 考 】
私の経験上、上記に記載の知識は、危険物の取扱いだけではなく、放射性物質の取扱い、電気関連設備の点検などの各種業務で役立てることができました。
技術系のお仕事を目指されておられる方は、危険物取扱者の資格を取得されてはどうでしょうか。