性質並びにその火災予防及び消火の方法
乙種第三類危険物
第三類危険物は自然発火性物質および禁水性物質です。
第三類危険物は、自然発火性を有する物質、禁水性を有する物質、これら両方の危険性を有する物質のいずれかになります。これらのうち最も危険性が高いものは、両方の危険性を有する物質で、代表的な物質としてはアルキルアルミニウムがありますが、試験問題では頻出の物質です。
貯蔵・取扱いにあたっては、自然発火性物質は空気に触れさせないように窒素など不活性ガスを利用する方法が必要ですが、黄リンのように水中(保護液)に貯蔵するものもあります。保護液での貯蔵に関する問題も頻出です。
消火の方法ですが、すべての第三類危険物の消火に使用できるものとしては、乾燥砂、膨張ひる石(バーミキュライト)、膨張真珠岩(パーライト)があります。
禁水性物品の消火には、炭酸水素塩類等を用いた粉末消火薬剤又はこれらの物品の消火のためにつくられた粉末消火剤を用います。
禁水性物品以外の物品(自然発火性のみの性状を有する物品は黄リンだけです)の消火には水、強化液、泡等の水系の消火薬剤の使用が可能です。
ここでは、このような危険性を有している自然発火性物質および禁水性物質について学習しましょう。
第三類の危険物は、消防法別表第一の第三類の項の品名欄に掲げる物品で、自然発火性物質又は禁水性物質の性状を有するものをいう。
【自然発火性物質及び禁水性物質】
下記の試験において一定の性状を示す固体又は液体である。
・空気中での発火の危険性を判断するための試験(自然発火性試験)
・水と接触して発火し、若しくは可燃性ガスを発生する危険性を判断する試験(水との反応性試験)
第三類
自然発火性物質及び禁水性物質
〇カリウム
・カリウム
〇ナトリウム
・ナトリウム
〇アルキルアルミニウム
・アルキルアルミニウム
〇アルキルリチウム
・ノルマルブチルリチウム
〇黄リン
・黄リン
〇アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く)及びアルカリ土類金属
・リチウム
・カルシウム
〇有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く)
・ジエチル亜鉛
〇金属の水素化物
・水素化ナトリウム
・水素化リチウム
〇金属のリン化物
・リン化カルシウム
〇カルシウム又はアルミニウムの炭化物
・炭化カルシウム
・炭化アルミニウム
〇その他のもので政令で定めるもの
・トリクロロシラン
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
<共通する性質>
〇空気または水と接触すると、発火または可燃性ガスを発生する危険性がある。
〇ほとんどのものは、自然発火性及び禁水性の両方の危険性を有している。
(黄りんは自然発火性のみ、リチウムは禁水性のみを有している。)
<共通する火災予防の方法>
〇自然発火性物質は、空気との接触を避ける。
〇禁水性物質は、水との接触を避ける。
〇自然発火性物質は、炎、火花、高温体との接触、または加熱を避ける。
〇容器は密栓し、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
〇容器の破損、腐食に注意する。
〇保護液の中に貯蔵する場合には、保護液の減少等に注意し、危険物が保護液から露出しないように注意する。
<共通する消火の方法>
〇乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩は、すべての第三類危険物の消火に使用できる。
〇禁水性物質の消火には、炭酸水素塩類等を用いた粉末消火薬剤またはこれらの物質の消火のため、専用に作られた粉末消火剤を使用する。
〇黄りんによる火災には、水、強化液、泡等の水系の消火薬剤が使用できる。
〇ハロゲン化物消火薬剤は、反応して有毒ガスを発生するものには使用できない。
乙種第三類危険物
第三類危険物は自然発火性物質および禁水性物質です。
第三類危険物は、自然発火性を有する物質、禁水性を有する物質、これら両方の危険性を有する物質のいずれかになります。これらのうち最も危険性が高いものは、両方の危険性を有する物質で、代表的な物質としてはアルキルアルミニウムがありますが、試験問題では頻出の物質です。
貯蔵・取扱いにあたっては、自然発火性物質は空気に触れさせないように窒素など不活性ガスを利用する方法が必要ですが、黄リンのように水中(保護液)に貯蔵するものもあります。保護液での貯蔵に関する問題も頻出です。
消火の方法ですが、すべての第三類危険物の消火に使用できるものとしては、乾燥砂、膨張ひる石(バーミキュライト)、膨張真珠岩(パーライト)があります。
禁水性物品の消火には、炭酸水素塩類等を用いた粉末消火薬剤又はこれらの物品の消火のためにつくられた粉末消火剤を用います。
禁水性物品以外の物品(自然発火性のみの性状を有する物品は黄リンだけです)の消火には水、強化液、泡等の水系の消火薬剤の使用が可能です。
ここでは、このような危険性を有している自然発火性物質および禁水性物質について学習しましょう。
第三類の危険物は、消防法別表第一の第三類の項の品名欄に掲げる物品で、自然発火性物質又は禁水性物質の性状を有するものをいう。
【自然発火性物質及び禁水性物質】
下記の試験において一定の性状を示す固体又は液体である。
・空気中での発火の危険性を判断するための試験(自然発火性試験)
・水と接触して発火し、若しくは可燃性ガスを発生する危険性を判断する試験(水との反応性試験)
第三類
自然発火性物質及び禁水性物質
〇カリウム
・カリウム
〇ナトリウム
・ナトリウム
〇アルキルアルミニウム
・アルキルアルミニウム
〇アルキルリチウム
・ノルマルブチルリチウム
〇黄リン
・黄リン
〇アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く)及びアルカリ土類金属
・リチウム
・カルシウム
〇有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く)
・ジエチル亜鉛
〇金属の水素化物
・水素化ナトリウム
・水素化リチウム
〇金属のリン化物
・リン化カルシウム
〇カルシウム又はアルミニウムの炭化物
・炭化カルシウム
・炭化アルミニウム
〇その他のもので政令で定めるもの
・トリクロロシラン
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
<共通する性質>
〇空気または水と接触すると、発火または可燃性ガスを発生する危険性がある。
〇ほとんどのものは、自然発火性及び禁水性の両方の危険性を有している。
(黄りんは自然発火性のみ、リチウムは禁水性のみを有している。)
<共通する火災予防の方法>
〇自然発火性物質は、空気との接触を避ける。
〇禁水性物質は、水との接触を避ける。
〇自然発火性物質は、炎、火花、高温体との接触、または加熱を避ける。
〇容器は密栓し、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
〇容器の破損、腐食に注意する。
〇保護液の中に貯蔵する場合には、保護液の減少等に注意し、危険物が保護液から露出しないように注意する。
<共通する消火の方法>
〇乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩は、すべての第三類危険物の消火に使用できる。
〇禁水性物質の消火には、炭酸水素塩類等を用いた粉末消火薬剤またはこれらの物質の消火のため、専用に作られた粉末消火剤を使用する。
〇黄りんによる火災には、水、強化液、泡等の水系の消火薬剤が使用できる。
〇ハロゲン化物消火薬剤は、反応して有毒ガスを発生するものには使用できない。
第三類
自然発火性物質及び禁水性物質
【 品名・物品名ごとの各論 】
〇カリウム
・カリウム(K)
<形状等>
銀白色の軟らかい金属
<性質>
比重 0.86 融点 63.2℃
沸点 770℃
強い還元作用を示す(酸化されやすい)。
金属材料を腐食する。
水と接触すると激しく反応し、水素と熱を発生する。
吸湿性と潮解性がある。
空気中の水分と作用して水素を発生する。
融点以上に加熱すると、紫色の炎を出して燃える。(炎色反応)
イオン化傾向が最も大きい金属である。
<危険性>
水と接触すると発火し、場合によっては爆発の危険性がある。
(発生した水素とカリウム自体が燃える。)
空気と長時間接触すると自然発火することがある。
腐食性があり、金属や皮膚をおかす。
<火災予防の方法>
空気、水分との接触を避ける。
容器は密栓し、換気の良い冷所に貯蔵する。
保護液(灯油、流動パラフィン等)の中に小分けして貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
貯蔵する建物の床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は厳禁である。
自然発火性物質及び禁水性物質
【 品名・物品名ごとの各論 】
〇カリウム
・カリウム(K)
<形状等>
銀白色の軟らかい金属
<性質>
比重 0.86 融点 63.2℃
沸点 770℃
強い還元作用を示す(酸化されやすい)。
金属材料を腐食する。
水と接触すると激しく反応し、水素と熱を発生する。
吸湿性と潮解性がある。
空気中の水分と作用して水素を発生する。
融点以上に加熱すると、紫色の炎を出して燃える。(炎色反応)
イオン化傾向が最も大きい金属である。
<危険性>
水と接触すると発火し、場合によっては爆発の危険性がある。
(発生した水素とカリウム自体が燃える。)
空気と長時間接触すると自然発火することがある。
腐食性があり、金属や皮膚をおかす。
<火災予防の方法>
空気、水分との接触を避ける。
容器は密栓し、換気の良い冷所に貯蔵する。
保護液(灯油、流動パラフィン等)の中に小分けして貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
貯蔵する建物の床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇ナトリウム
・ナトリウム(Na)
<形状等>
銀白色の軟らかい金属
<性質>
比重 0.97 融点 97.8℃
沸点 881.4℃
水と接触すると激しく反応し、水素と熱を発生する。
融点以上に加熱すると、黄色の炎を出して燃える。(炎色反応)
上記の他は、カリウムに準ずるが、反応性はやや劣る。
<危険性>
水と接触すると発火し、場合によっては爆発の危険性がある。
(発生した水素とカリウム自体が燃える。)
空気と長時間接触すると自然発火することがある。
腐食性がある。
<火災予防の方法>
空気、水分との接触を避ける。
容器は密栓し、換気の良い冷所に貯蔵する。
保護液(灯油、流動パラフィン等)の中に小分けして貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
貯蔵する建物の床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は厳禁である。
・ナトリウム(Na)
<形状等>
銀白色の軟らかい金属
<性質>
比重 0.97 融点 97.8℃
沸点 881.4℃
水と接触すると激しく反応し、水素と熱を発生する。
融点以上に加熱すると、黄色の炎を出して燃える。(炎色反応)
上記の他は、カリウムに準ずるが、反応性はやや劣る。
<危険性>
水と接触すると発火し、場合によっては爆発の危険性がある。
(発生した水素とカリウム自体が燃える。)
空気と長時間接触すると自然発火することがある。
腐食性がある。
<火災予防の方法>
空気、水分との接触を避ける。
容器は密栓し、換気の良い冷所に貯蔵する。
保護液(灯油、流動パラフィン等)の中に小分けして貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
貯蔵する建物の床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇アルキルアルミニウム
・アルキルアルミニウム
<形状等>
固体または液体
<性質>
(例)トリエチルアルミニウム((C2H5)3Al)(無色の液体)
比重 0.83 融点 -46℃
沸点 187℃
上記の比重・融点・沸点はトリエチルアルミニウムの場合。
空気と接触すると酸化反応を起こして自然発火する。
水と接触すると激しく反応して発火する。
高温では不安定で、200℃以上に加熱すると分解する。
ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤で希釈すると、危険性は低くなる。
空気または水との反応性は、一般に炭素数、ハロゲン数が多いものほど低くなる。
<危険性>
空気と接触すると酸化反応を起こして自然発火する。
水と接触すると激しく反応して発火する。
ハロゲン化物と反応して有毒ガスを発生する。
皮膚と接触すると火傷する。
<火災予防の方法>
空気、水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
換気の良い冷所に貯蔵する。
耐圧性を有する容器を使用し、容器の破損を防止するため、安全弁を設ける。
空気や水との接触を避けるため、容器には常に不活性ガス(窒素、アルゴンなど)を封入する。
<消火の方法>
乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩などを使用する。
塩素を含まない粉末消火剤(炭酸水素ナトリウムを用いたものなど)を使用する。
水、泡などの水系の消火薬剤は使用できない。
ハロン1301などのハロゲン化物とも激しく反応し有毒ガスを発生するので使用できない。
・アルキルアルミニウム
<形状等>
固体または液体
<性質>
(例)トリエチルアルミニウム((C2H5)3Al)(無色の液体)
比重 0.83 融点 -46℃
沸点 187℃
上記の比重・融点・沸点はトリエチルアルミニウムの場合。
空気と接触すると酸化反応を起こして自然発火する。
水と接触すると激しく反応して発火する。
高温では不安定で、200℃以上に加熱すると分解する。
ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤で希釈すると、危険性は低くなる。
空気または水との反応性は、一般に炭素数、ハロゲン数が多いものほど低くなる。
<危険性>
空気と接触すると酸化反応を起こして自然発火する。
水と接触すると激しく反応して発火する。
ハロゲン化物と反応して有毒ガスを発生する。
皮膚と接触すると火傷する。
<火災予防の方法>
空気、水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
換気の良い冷所に貯蔵する。
耐圧性を有する容器を使用し、容器の破損を防止するため、安全弁を設ける。
空気や水との接触を避けるため、容器には常に不活性ガス(窒素、アルゴンなど)を封入する。
<消火の方法>
乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩などを使用する。
塩素を含まない粉末消火剤(炭酸水素ナトリウムを用いたものなど)を使用する。
水、泡などの水系の消火薬剤は使用できない。
ハロン1301などのハロゲン化物とも激しく反応し有毒ガスを発生するので使用できない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇アルキルリチウム
・ノルマルブチルリチウム((C4H9)Li)
<形状等>
黄褐色の液体
<性質>
比重 0.765 融点 -76℃
沸点 80~90℃(10の4乗mmHg)
空気と接触すると自然発火する。
水と接触すると発火する。
ジエチルエーテル、ベンゼン、パラフィン系炭化水素に溶ける。(メチルリチウムを除く)
ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤で希釈すると、危険性は低くなる。
<危険性>
空気と接触すると自然発火する。
水と接触すると発火する。
水、アルコール、酸、アミンなどと激しく反応する。
皮膚と接触すると火傷する。
<火災予防の方法>
アルキルアルミニウムに準ずる。
<消火の方法>
アルキルアルミニウムに準ずる。
・ノルマルブチルリチウム((C4H9)Li)
<形状等>
黄褐色の液体
<性質>
比重 0.765 融点 -76℃
沸点 80~90℃(10の4乗mmHg)
空気と接触すると自然発火する。
水と接触すると発火する。
ジエチルエーテル、ベンゼン、パラフィン系炭化水素に溶ける。(メチルリチウムを除く)
ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤で希釈すると、危険性は低くなる。
<危険性>
空気と接触すると自然発火する。
水と接触すると発火する。
水、アルコール、酸、アミンなどと激しく反応する。
皮膚と接触すると火傷する。
<火災予防の方法>
アルキルアルミニウムに準ずる。
<消火の方法>
アルキルアルミニウムに準ずる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇黄リン
・黄リン(P)
<形状等>
白色または淡黄色のロウ状の固体
ニラのような不快臭を有する。
<性質>
比重 1.82 融点 44℃
沸点 281℃
約50℃で自然発火する。
水には溶けないが、ベンゼン、二硫化炭素には溶ける。
空気中では、約30~50℃で自然発火する。
暗所では黄緑色のリン光を放つ。
<危険性>
空気中では徐々に酸化が進み、発火点に達すると自然発火する。
燃焼すると、猛毒で可燃性の五酸化二リンを発生する。
猛毒である。
皮膚に触れると火傷をする。
<火災予防の方法>
空気、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
空気との接触を避けるため、水中(保護液)に貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
<消火の方法>
融点が低く、燃焼の際には流動することがあるため、注水、乾燥砂(土砂など)で消火する。
高圧で注水すると飛散することがあるため注意を要する。
ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生させるので、使用できない。
・黄リン(P)
<形状等>
白色または淡黄色のロウ状の固体
ニラのような不快臭を有する。
<性質>
比重 1.82 融点 44℃
沸点 281℃
約50℃で自然発火する。
水には溶けないが、ベンゼン、二硫化炭素には溶ける。
空気中では、約30~50℃で自然発火する。
暗所では黄緑色のリン光を放つ。
<危険性>
空気中では徐々に酸化が進み、発火点に達すると自然発火する。
燃焼すると、猛毒で可燃性の五酸化二リンを発生する。
猛毒である。
皮膚に触れると火傷をする。
<火災予防の方法>
空気、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
空気との接触を避けるため、水中(保護液)に貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
<消火の方法>
融点が低く、燃焼の際には流動することがあるため、注水、乾燥砂(土砂など)で消火する。
高圧で注水すると飛散することがあるため注意を要する。
ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生させるので、使用できない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く)
・リチウム(Li)
<形状等>
銀白色の金属結晶
<性質>
比重 0.53 融点 180.5℃
沸点 1,347℃
固体の金属の中で最も軽い。
水に溶ける。
水と接触すると、常温(20℃)では徐々に、高温では激しく反応し、水素を発生する。
赤色の炎を上げながら燃焼する。
<危険性>
水と接触すると発火する。
固形状のものは、融点以上に加熱すると発火する。
粉末状のものは、常温でも発火する。
<火災予防の方法>
火気、加熱を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
保護液(灯油、流動パラフィンなど)中で貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
<消火の方法>
乾燥砂などを用いて窒息消火する。
注水は厳禁である。
・リチウム(Li)
<形状等>
銀白色の金属結晶
<性質>
比重 0.53 融点 180.5℃
沸点 1,347℃
固体の金属の中で最も軽い。
水に溶ける。
水と接触すると、常温(20℃)では徐々に、高温では激しく反応し、水素を発生する。
赤色の炎を上げながら燃焼する。
<危険性>
水と接触すると発火する。
固形状のものは、融点以上に加熱すると発火する。
粉末状のものは、常温でも発火する。
<火災予防の方法>
火気、加熱を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
保護液(灯油、流動パラフィンなど)中で貯蔵し、保護液から露出しないようにする。
<消火の方法>
乾燥砂などを用いて窒息消火する。
注水は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇アルカリ土類金属
・カルシウム(Ca)
<形状等>
銀白色の金属結晶
<性質>
比重 1.6 融点 845℃
沸点 1,494℃
水と接触すると、常温(20℃)では徐々に、高温では激しく反応し、水素を発生する。
赤橙色の炎を上げながら燃焼する。
<危険性>
空気中で強く加熱すると発火する。
<火災予防の方法>
火気、加熱を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
乾燥砂などを用いて窒息消火する。
注水は厳禁である。
・カルシウム(Ca)
<形状等>
銀白色の金属結晶
<性質>
比重 1.6 融点 845℃
沸点 1,494℃
水と接触すると、常温(20℃)では徐々に、高温では激しく反応し、水素を発生する。
赤橙色の炎を上げながら燃焼する。
<危険性>
空気中で強く加熱すると発火する。
<火災予防の方法>
火気、加熱を避ける。
水との接触を避ける。
容器は密栓する。
<消火の方法>
乾燥砂などを用いて窒息消火する。
注水は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く)
・ジエチル亜鉛((C2H5)2Zn)
<形状等>
無色の液体
<性質>
比重 1.2 融点 -28℃
沸点 117℃
ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサンに溶ける。
空気中で自然発火する。
水と激しく反応する。
<危険性>
空気と接触すると自然発火する。
水、アルコール、酸に触れると激しく反応し、可燃性のエタンガスを発生する。
<火災予防の方法>
空気、水との接触を避ける。
容器は密栓する。
容器には、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを封入する。
<消火の方法>
粉末消火剤を用いて消火する。
水、泡による消火は厳禁である。
ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生させるので、使用できない。
・ジエチル亜鉛((C2H5)2Zn)
<形状等>
無色の液体
<性質>
比重 1.2 融点 -28℃
沸点 117℃
ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサンに溶ける。
空気中で自然発火する。
水と激しく反応する。
<危険性>
空気と接触すると自然発火する。
水、アルコール、酸に触れると激しく反応し、可燃性のエタンガスを発生する。
<火災予防の方法>
空気、水との接触を避ける。
容器は密栓する。
容器には、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを封入する。
<消火の方法>
粉末消火剤を用いて消火する。
水、泡による消火は厳禁である。
ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生させるので、使用できない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇金属の水素化物
・水素化ナトリウム(NaH)
<形状等>
灰色の結晶
<性質>
比重 1.4
水と激しく反応して、水素を発生する。
乾燥した空気中では安定であるが、230℃以上に加熱すると、酸素と反応する。
800℃以上に加熱すると、水素とナトリウムに分解する。
<危険性>
水、空気中の水分と接触すると発火する。
酸化剤との接触により、発熱、発火の危険性がある。
有毒である。
<火災予防の方法>
水、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓し、不活性ガス(窒素、アルゴンなど)を封入する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
・水素化ナトリウム(NaH)
<形状等>
灰色の結晶
<性質>
比重 1.4
水と激しく反応して、水素を発生する。
乾燥した空気中では安定であるが、230℃以上に加熱すると、酸素と反応する。
800℃以上に加熱すると、水素とナトリウムに分解する。
<危険性>
水、空気中の水分と接触すると発火する。
酸化剤との接触により、発熱、発火の危険性がある。
有毒である。
<火災予防の方法>
水、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓し、不活性ガス(窒素、アルゴンなど)を封入する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・水素化リチウム(LiH)
<形状等>
白色の結晶
<性質>
比重 0.82 融点 680℃
高温で、水素とリチウムに分解する。
水と接触すると激しく反応して、水素と熱を発生する。
<危険性>
水、空気中の水分と接触すると発火する。
<火災予防の方法>
水素化ナトリウムと同じ。
<消火の方法>
水素化ナトリウムと同じ。
<形状等>
白色の結晶
<性質>
比重 0.82 融点 680℃
高温で、水素とリチウムに分解する。
水と接触すると激しく反応して、水素と熱を発生する。
<危険性>
水、空気中の水分と接触すると発火する。
<火災予防の方法>
水素化ナトリウムと同じ。
<消火の方法>
水素化ナトリウムと同じ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇金属のリン化物
・リン化カルシウム(Ca3P2)
<形状等>
暗赤色の塊状固体または粉末
<性質>
比重 2.51 融点 1,600℃以上
水、弱酸と接触すると激しく反応する。
<危険性>
水と接触すると、有毒で可燃性のリン化水素(ホスフィン)を発生する。
<火災予防の方法>
水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
貯蔵する建物などの床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
・リン化カルシウム(Ca3P2)
<形状等>
暗赤色の塊状固体または粉末
<性質>
比重 2.51 融点 1,600℃以上
水、弱酸と接触すると激しく反応する。
<危険性>
水と接触すると、有毒で可燃性のリン化水素(ホスフィン)を発生する。
<火災予防の方法>
水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
貯蔵する建物などの床面は、地面より高くする。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇カルシウムまたはアルミニウムの炭化物
・炭化カルシウム(CaC2)
<形状等>
純粋なものは無色または白色の結晶
一般には、不純物により灰色を呈する。
<性質>
比重 2.2 融点 2,300℃
水と接触すると、アセチレンガスと熱を発生し、水酸化カルシウムとなる。
吸湿性がある。
不燃性で、それ自体は燃えない。
<危険性>
水と接触すると、可燃性で爆発性のアセチレンガスを発生する。
<火災予防の方法>
水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
容器には窒素などの不燃性ガスを封入する。
<消火の方法>
粉末、乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
・炭化カルシウム(CaC2)
<形状等>
純粋なものは無色または白色の結晶
一般には、不純物により灰色を呈する。
<性質>
比重 2.2 融点 2,300℃
水と接触すると、アセチレンガスと熱を発生し、水酸化カルシウムとなる。
吸湿性がある。
不燃性で、それ自体は燃えない。
<危険性>
水と接触すると、可燃性で爆発性のアセチレンガスを発生する。
<火災予防の方法>
水との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
容器には窒素などの不燃性ガスを封入する。
<消火の方法>
粉末、乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・炭化アルミニウム(Al4C3)
<形状等>
純粋なものは無色または白色の結晶
一般には、不純物により黄色を呈する。
<性質>
比重 2.37 融点 2,200℃
水と接触すると、常温(20℃)でも、熱とメタンガスを発生する。
空気中では安定である。
<危険性>
水と接触すると発熱し、可燃性で爆発性のメタンガスを発生する。
<火災予防の方法>
炭化カルシウムと同じ。
<消火の方法>
炭化カルシウムと同じ。
<形状等>
純粋なものは無色または白色の結晶
一般には、不純物により黄色を呈する。
<性質>
比重 2.37 融点 2,200℃
水と接触すると、常温(20℃)でも、熱とメタンガスを発生する。
空気中では安定である。
<危険性>
水と接触すると発熱し、可燃性で爆発性のメタンガスを発生する。
<火災予防の方法>
炭化カルシウムと同じ。
<消火の方法>
炭化カルシウムと同じ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇その他のもので政令で定めるもの
・トリクロロシラン(SiHCl3)
<形状等>
無色の液体
<性質>
沸点 32℃
引火点 -14℃
水、ジエチルエーテル、二硫化炭素、ベンゼンに溶ける。
水と接触すると、熱と塩化水素を発生する。
揮発性、刺激臭があり有毒である。
<危険性>
水と接触すると発熱し、発火する危険性がある。
酸化剤と接触すると、爆発の危険性がある。
燃焼の際、有毒で、腐食性のガスを発生する。
<火災予防の方法>
水、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
・トリクロロシラン(SiHCl3)
<形状等>
無色の液体
<性質>
沸点 32℃
引火点 -14℃
水、ジエチルエーテル、二硫化炭素、ベンゼンに溶ける。
水と接触すると、熱と塩化水素を発生する。
揮発性、刺激臭があり有毒である。
<危険性>
水と接触すると発熱し、発火する危険性がある。
酸化剤と接触すると、爆発の危険性がある。
燃焼の際、有毒で、腐食性のガスを発生する。
<火災予防の方法>
水、酸化剤との接触を避ける。
火気、加熱を避ける。
容器は密栓する。
換気の良い冷所に貯蔵する。
<消火の方法>
乾燥砂などで窒息消火する。
注水消火は厳禁である。
〇前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの