危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
第二石油類
<非水溶性液体>
灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレン、n-ブチルアルコール
<水溶性液体>
酢酸
《第二石油類》
第二石油類とは、灯油、軽油その他1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のものをいう。
塗料類その他の物品であって、組成等を勘案して、次のものは第二石油類から除外される。
:可燃性液体量が40%以下で
あって、引火点が40℃以上、
かつ、
燃焼点が60℃以上のもの
灯 油
品名:第二石油類
化学式: -
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.8程度
蒸気比重:4.5
引火点:40℃以上
発火点:220℃
沸点:145~270℃
融点: -
燃焼範囲:1.1~6.0vol%
【性 状】
①無色又は淡紫黄色の液体である。
②水には溶けない。
③市販の白灯油の引火点は一般に45~55℃である。
④油脂等を溶かす。
【危険性】
①燃焼範囲は1.1~6.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④ガソリンが混合されたものは引火しやすくなる。
⑤電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
軽 油
品名:第二石油類
化学式: -
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.85程度
蒸気比重:4.5
引火点:45℃以上
発火点:220℃
沸点:170~370℃
融点: -
燃焼範囲:1.0~6.0vol%
【性 状】
①淡黄色又は淡褐色の液体である。
②水には溶けない。
【危険性】
①燃焼範囲は1.0~6.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性
は増大する。
④ガソリンが混合されたものは引火しやすくなる。
⑤電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
クロロベンゼン
品名:第二石油類
化学式:C6H5Cl
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.1
蒸気比重:3.9
引火点:28℃
発火点: -
沸点:132℃
融点:-44.9℃
燃焼範囲:1.3~9.6vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②水には溶けない。
③アルコール、エーテルに溶ける。
④多くの有機溶剤によく溶ける。
⑤油脂等を溶かす。
⑥比重が1.1と1より大きいのは、第四類危険物中の少ない例である。
【危険性】
①燃焼範囲は1.3~9.6vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤若干の麻酔性がある。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②水と作用して発熱し、発火することがあるため、水との混触を避ける。
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
キシレン
品名:第二石油類
化学式:C6H4(CH3)2
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重: -
蒸気比重: -
引火点: -
発火点: -
沸点: -
融点: -
燃焼範囲: -
【異性体別】
オルトキシレン(O-)
比重:0.88
蒸気比重:3.66
引火点℃:33
発火点℃:463
沸点℃:144
融点℃:-25.2
燃焼範囲vol%:1.0~6.0
メタキシレン(m-)
比重:0.86
蒸気比重:3.66
引火点℃:28
発火点℃:527
沸点℃:139
融点℃:-47.7
燃焼範囲vol%:1.1~7.0
パラキシレン(p-)
比重:0.86
蒸気比重:3.66
引火点℃:27
発火点℃:528
沸点℃:138
融点℃:13.2
燃焼範囲vol%:1.1~7.0
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香性を有する。
③水に溶けない。
【危険性】
①燃焼範囲は1.0~7.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②塩素酸塩類との混触によって発火し、爆発することがあるため、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
酢 酸
品名:第2石油類
化学式:CH3COOH
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.05
蒸気比重:2.1
引火点:39℃
発火点:463℃
沸点:118℃
融点:16.6℃
燃焼範囲:4.0~19.9vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②特異な刺激性の酢の臭気を有する。
③水、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶ける。
④約17℃以下になると凝固する。
⑤水溶液は弱い酸性を示す。
⑥食酢は酢酸の3~5%の水溶液である。
【危険性】
①強い腐食性の有機酸で高純度品よりも水溶液の方が腐食性が強い。
②皮膚に触れると火傷を起こす。
③濃い蒸気を吸入すると粘膜を刺激し、炎症を起こす。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②コンクリートを腐食させるので、床等のコンクリート部分はアスファルト等の腐食しない材料を用いる。
③金属類と反応するため、貯蔵容器は耐酸性のものを使用する。
【消火の方法】
二酸化炭素、粉末、耐アルコール泡等の消火剤により消火する。
■ 第四類危険物の品名ごとの一般的性質
第二石油類
<非水溶性液体>
灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレン、n-ブチルアルコール
<水溶性液体>
酢酸
《第二石油類》
第二石油類とは、灯油、軽油その他1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のものをいう。
塗料類その他の物品であって、組成等を勘案して、次のものは第二石油類から除外される。
:可燃性液体量が40%以下で
あって、引火点が40℃以上、
かつ、
燃焼点が60℃以上のもの
灯 油
品名:第二石油類
化学式: -
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.8程度
蒸気比重:4.5
引火点:40℃以上
発火点:220℃
沸点:145~270℃
融点: -
燃焼範囲:1.1~6.0vol%
【性 状】
①無色又は淡紫黄色の液体である。
②水には溶けない。
③市販の白灯油の引火点は一般に45~55℃である。
④油脂等を溶かす。
【危険性】
①燃焼範囲は1.1~6.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④ガソリンが混合されたものは引火しやすくなる。
⑤電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
軽 油
品名:第二石油類
化学式: -
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:0.85程度
蒸気比重:4.5
引火点:45℃以上
発火点:220℃
沸点:170~370℃
融点: -
燃焼範囲:1.0~6.0vol%
【性 状】
①淡黄色又は淡褐色の液体である。
②水には溶けない。
【危険性】
①燃焼範囲は1.0~6.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性
は増大する。
④ガソリンが混合されたものは引火しやすくなる。
⑤電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
クロロベンゼン
品名:第二石油類
化学式:C6H5Cl
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重:1.1
蒸気比重:3.9
引火点:28℃
発火点: -
沸点:132℃
融点:-44.9℃
燃焼範囲:1.3~9.6vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②水には溶けない。
③アルコール、エーテルに溶ける。
④多くの有機溶剤によく溶ける。
⑤油脂等を溶かす。
⑥比重が1.1と1より大きいのは、第四類危険物中の少ない例である。
【危険性】
①燃焼範囲は1.3~9.6vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
⑤若干の麻酔性がある。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②水と作用して発熱し、発火することがあるため、水との混触を避ける。
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
キシレン
品名:第二石油類
化学式:C6H4(CH3)2
指定数量:1000リットル
形状:液体
性質:非水溶性
比重: -
蒸気比重: -
引火点: -
発火点: -
沸点: -
融点: -
燃焼範囲: -
【異性体別】
オルトキシレン(O-)
比重:0.88
蒸気比重:3.66
引火点℃:33
発火点℃:463
沸点℃:144
融点℃:-25.2
燃焼範囲vol%:1.0~6.0
メタキシレン(m-)
比重:0.86
蒸気比重:3.66
引火点℃:28
発火点℃:527
沸点℃:139
融点℃:-47.7
燃焼範囲vol%:1.1~7.0
パラキシレン(p-)
比重:0.86
蒸気比重:3.66
引火点℃:27
発火点℃:528
沸点℃:138
融点℃:13.2
燃焼範囲vol%:1.1~7.0
【性 状】
①無色透明の液体である。
②芳香性を有する。
③水に溶けない。
【危険性】
①燃焼範囲は1.0~7.0vol%と比較的狭いが、下限界が低いため引火しやすい。
②加熱等により液温が引火点以上になると引火の危険性はガソリンとほぼ同様となる。
③霧状の浮遊状態や、布等にしみ込んだ状態では、空気との接触面積が大きくなるため、危険性は増大する。
④電気の不良導体で、流動すると静電気を発生しやすい。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②塩素酸塩類との混触によって発火し、爆発することがあるため、これらとの混触を避ける。
【消火の方法】
泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物等により窒息消火する。
酢 酸
品名:第2石油類
化学式:CH3COOH
指定数量:2000リットル
形状:液体
性質:水溶性
比重:1.05
蒸気比重:2.1
引火点:39℃
発火点:463℃
沸点:118℃
融点:16.6℃
燃焼範囲:4.0~19.9vol%
【性 状】
①無色透明の液体である。
②特異な刺激性の酢の臭気を有する。
③水、エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶ける。
④約17℃以下になると凝固する。
⑤水溶液は弱い酸性を示す。
⑥食酢は酢酸の3~5%の水溶液である。
【危険性】
①強い腐食性の有機酸で高純度品よりも水溶液の方が腐食性が強い。
②皮膚に触れると火傷を起こす。
③濃い蒸気を吸入すると粘膜を刺激し、炎症を起こす。
【火災予防の方法】
①第四類危険物共通事項
その他特異事項
②コンクリートを腐食させるので、床等のコンクリート部分はアスファルト等の腐食しない材料を用いる。
③金属類と反応するため、貯蔵容器は耐酸性のものを使用する。
【消火の方法】
二酸化炭素、粉末、耐アルコール泡等の消火剤により消火する。
★ 次のような問題が出題されます。★
第二石油類(例:灯油)に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
灯油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)蒸気比重は、空気の4.5倍である。
(2)引火点は40℃以下である。
(3)無色又は淡紫黄色の液体である。
(4)燃焼範囲は1.1~6.0vol%である。
(5)水には溶けない。
【解答】
(2)
【解説】
灯油の引火点は40℃以上である。