主要項目
■ 危険物の定義、指定数量、危険物の規制
■ 各種申請手続き
■ 危険物取扱者制度
■ 危険物施設(製造所等)の基準
■ 消火設備・警報設備・避難設備の基準
■ 貯蔵及び取扱いの基準
■ 運搬及び移送の基準
■ 行政命令等
運搬及び移送の基準
(1)運搬の基準
危険物の運搬とは、危険物を容器に収納して、ある場所から他の場所に移動することをいう。
危険物の運搬は、運搬容器、積載方法及び運搬方法について規定された技術上の基準を満たさなければならない。
(法第16条)
運搬の基準は、その量が指定数量未満であっても消防法が適用されるので、注意が必要である。
なお、移動タンク貯蔵所により危険物を運ぶ場合には、「危険物の移送」として消防法で規制され、「危険物の運搬」には該当しない。
① 運搬容器(政令第28条)
a.運搬容器の材質は、鋼板、アルミニウム板、ブリキ板、ガラス等と定められている。
b.運搬容器の構造は、堅固で容易に破損するおそれがなく、かつ、その口から収納された危険物が漏れるおそれがないこと。
c.運搬容器の構造及び最大容積は、容器の区分に応じ、以下の各項目に規定するところによること。
1)次号に掲げる容器以外の容器
・固体又は液体の危険物を収納するものは、それぞれの規定に適合すること。
(例外規定あり)
2)機械により荷役する構造を有する容器
・固体又は液体の危険物を収納するものは、それぞれの規定に適合すること。
・運搬容器は、腐食等の劣化に対して保護されたものであること。
・運搬容器は、収納する危険物の内圧及び取扱い時又は運搬時の荷重によって、容器に生じる応力に対して安全なものであること。
・運搬容器の附属設備には、収納する危険物が附属設備から漏れないように措置を講ずること。
・枠で囲まれた運搬容器の場合や、下部に排出口を有する運搬容器の場合は、ある一定の要件を満たしたものであること。
・運搬容器の構造に関して規定を満たしたものであること。
■ 危険物の定義、指定数量、危険物の規制
■ 各種申請手続き
■ 危険物取扱者制度
■ 危険物施設(製造所等)の基準
■ 消火設備・警報設備・避難設備の基準
■ 貯蔵及び取扱いの基準
■ 運搬及び移送の基準
■ 行政命令等
運搬及び移送の基準
(1)運搬の基準
危険物の運搬とは、危険物を容器に収納して、ある場所から他の場所に移動することをいう。
危険物の運搬は、運搬容器、積載方法及び運搬方法について規定された技術上の基準を満たさなければならない。
(法第16条)
運搬の基準は、その量が指定数量未満であっても消防法が適用されるので、注意が必要である。
なお、移動タンク貯蔵所により危険物を運ぶ場合には、「危険物の移送」として消防法で規制され、「危険物の運搬」には該当しない。
① 運搬容器(政令第28条)
a.運搬容器の材質は、鋼板、アルミニウム板、ブリキ板、ガラス等と定められている。
b.運搬容器の構造は、堅固で容易に破損するおそれがなく、かつ、その口から収納された危険物が漏れるおそれがないこと。
c.運搬容器の構造及び最大容積は、容器の区分に応じ、以下の各項目に規定するところによること。
1)次号に掲げる容器以外の容器
・固体又は液体の危険物を収納するものは、それぞれの規定に適合すること。
(例外規定あり)
2)機械により荷役する構造を有する容器
・固体又は液体の危険物を収納するものは、それぞれの規定に適合すること。
・運搬容器は、腐食等の劣化に対して保護されたものであること。
・運搬容器は、収納する危険物の内圧及び取扱い時又は運搬時の荷重によって、容器に生じる応力に対して安全なものであること。
・運搬容器の附属設備には、収納する危険物が附属設備から漏れないように措置を講ずること。
・枠で囲まれた運搬容器の場合や、下部に排出口を有する運搬容器の場合は、ある一定の要件を満たしたものであること。
・運搬容器の構造に関して規定を満たしたものであること。
② 積載方法(政令第29条)
a.危険物は、運搬容器に収納して積載すること。
1)温度変化等により危険物が漏れないように密封して収納すること。
2)危険物の性質に適応した材質の運搬容器に収納すること。
3)固体の危険物は、内容積の95%以下の収納率で収納すること。
4)液体の危険物は、内容積の98%以下の収納率で、かつ、55℃の温度において漏れないように、十分な空間容積を有して収納すること。
5)機械により荷役する構造を有する運搬容器への収納は、上記に掲げる他に腐食、損傷等異常が無いこと等の規定によること。
b.危険物は、運搬容器の外部に、下記事項を表示して積載すること。
1)危険物の品名、危険物等級及び化学名並びに第四類危険物のうち水溶性の性状を有する場合は「水溶性」
2)危険物の数量
3)収納する危険物に応じた次に掲げる注意事項
a.危険物は、運搬容器に収納して積載すること。
1)温度変化等により危険物が漏れないように密封して収納すること。
2)危険物の性質に適応した材質の運搬容器に収納すること。
3)固体の危険物は、内容積の95%以下の収納率で収納すること。
4)液体の危険物は、内容積の98%以下の収納率で、かつ、55℃の温度において漏れないように、十分な空間容積を有して収納すること。
5)機械により荷役する構造を有する運搬容器への収納は、上記に掲げる他に腐食、損傷等異常が無いこと等の規定によること。
b.危険物は、運搬容器の外部に、下記事項を表示して積載すること。
1)危険物の品名、危険物等級及び化学名並びに第四類危険物のうち水溶性の性状を有する場合は「水溶性」
2)危険物の数量
3)収納する危険物に応じた次に掲げる注意事項
c.機械により荷役する構造を有する運搬容器の外部表示には、前記b.項以外に下記が必要である。
1)運搬容器の製造年月及び製造者の名称
2)積み重ね試験荷重
3)運搬容器の種類に応じて最大総重量又は最大収容重量
4)運搬容器の外部に行う表示に関し必要な事項は別途規定されている。
d.危険物は、当該危険物が転落し、又は収納した運搬容器が落下し、転倒し、若しくは破損しないように積載すること。
e.運搬容器は、収納口を上方に向けて積載すること。
f.次の表の危険物は、それぞれ有効に被覆する等の措置を講じなければならない。
1)運搬容器の製造年月及び製造者の名称
2)積み重ね試験荷重
3)運搬容器の種類に応じて最大総重量又は最大収容重量
4)運搬容器の外部に行う表示に関し必要な事項は別途規定されている。
d.危険物は、当該危険物が転落し、又は収納した運搬容器が落下し、転倒し、若しくは破損しないように積載すること。
e.運搬容器は、収納口を上方に向けて積載すること。
f.次の表の危険物は、それぞれ有効に被覆する等の措置を講じなければならない。
g.液体の危険物又は危険等級Ⅱの固体の危険物を機械により荷役する構造を有する運搬容器に収納して積載する場合は、衝撃等を防止するための措置を講じなければならない。
h.危険物は、類を異にする他の危険物または災害を発生させるおそれのある物品とを混載してはならない。
混載することができない物品は次の表のとおりである。
h.危険物は、類を異にする他の危険物または災害を発生させるおそれのある物品とを混載してはならない。
混載することができない物品は次の表のとおりである。
i.危険物を収納した運搬容器を積み重ねる場合は、高さ3m以下とすること。
③ 運搬方法(政令第30条)
a.危険物又は危険物を収納した運搬容器が著しく摩擦、動揺を起こさないように運搬すること。
b.指定数量以上の危険物を運搬する場合は、下記の規定がある。
1)車両の前後の見やすい箇所に一定の標識を掲げること。
2)積替、休憩、故障等のため、車両を一時停止させるときは、安全な場所を選び、かつ、運搬する危険物の保安に注意すること。
3)運搬する危険物に適応する消火設備を設けること。
c.運搬中、危険物が著しく漏れる等、災害が発生するおそれのある場合は、応急措置を講ずるとともに、最寄の消防機関その他の関係機関に通報すること。
③ 運搬方法(政令第30条)
a.危険物又は危険物を収納した運搬容器が著しく摩擦、動揺を起こさないように運搬すること。
b.指定数量以上の危険物を運搬する場合は、下記の規定がある。
1)車両の前後の見やすい箇所に一定の標識を掲げること。
2)積替、休憩、故障等のため、車両を一時停止させるときは、安全な場所を選び、かつ、運搬する危険物の保安に注意すること。
3)運搬する危険物に適応する消火設備を設けること。
c.運搬中、危険物が著しく漏れる等、災害が発生するおそれのある場合は、応急措置を講ずるとともに、最寄の消防機関その他の関係機関に通報すること。
(2)移送の基準
(政令第30条の2)
移送とは、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)により危険物を運搬する場合のことをいう。
移動タンク貯蔵所による危険物の移送には、当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者が乗車するとともに、危険物取扱者免状を携帯すること。
移動タンク貯蔵所により危険物の移送をする者は、下記の基準を満たすこと。
① 移送の開始前に、移動貯蔵タンクの底弁その他の弁、マンホール及び注入口のふた、消火器等の点検を十分に行うこと。
② 長時間移送の場合には、2人以上の運転要員を確保すること。
ただし、動植物油類その他規定された危険物の移送についてはこの限りではない。
長時間とは次の条件を満たすものをいう。
a.連続運転時間が4時間を超える移送
b.連続運転が1日当たり9時間を超える移送
③ 移動タンク貯蔵所を休憩、故障等のため一時停止させるときは、安全な場所を選ぶこと。
④ 移動貯蔵タンクから危険物が著しく漏れる等、災害が発生するおそれのある場合には、災害を防止するため応急措置を講ずるとともに、消防機関その他の関係機関に通報すること。
⑤ アルキルアルミニウム等を移送する場合は、移送の経路等を記載した書面を関係消防機関に送付するとともに、書面の写しを携帯し、書面に記載された内容に従うこと。
⑥ 移動タンク貯蔵所には下記を備え付けておくこと。
a.完成検査済証
b.定期点検記録
c.譲渡・引渡の届出書
d.品名・数量又は指定数量の倍数の変更の届出書
【参考】
「イエローカード」及び「容器イエローカード(ラベル方式)」
〇「イエローカード」(運搬・移送の場合)
・危険物の運搬又は移送中における事故の被害拡大を防止する。
・事故物質の品名及び性状の早期把握と、迅速な災害対応につなげる。
<記載内容>
(表面)該当法規・危険有害性
事故発生時の応急措置
緊急通報・緊急連絡
(裏面)災害拡大防止措置(漏洩したとき、引火・発火したとき、救急措置)
〇「容器イエローカード(ラベル方式)」
少量物品輸送の場合には、「イエローカード」を補完するものとして、運用されている。
(ドラム等の大型容器、小型容器用がある)
頻出事項!
【運搬及び移送の基準】
<運搬の基準>
〇 運搬の基準は、その量が指定数量未満であっても消防法が適用される。
〇 危険物は、危険性の程度に応じて、危険等級Ⅰ、危険等級Ⅱ及び危険等級Ⅲに区分。
(例)
第四類の場合
危険等級Ⅰ:特殊引火物
危険等級Ⅱ:第一石油類
アルコール類
危険等級Ⅲ:上記以外の危険物
〇 危険物は、運搬容器の外部に、下記事項を表示して積載すること。
・危険物の品名、危険物等級及び化学名並びに第四類危険物のうち水溶性の性状を有する場合は「水溶性」
・危険物の数量
・収納する危険物に応じた注意事項(第四類の場合は「火気厳禁」と表示)
〇 危険物は、類を異にする他の危険物または災害を発生させるおそれのある物品との混載禁止
第四類の場合
第一類と第六類との混載禁止
<移送の基準>
〇 移動タンク貯蔵所による危険物の移送時、危険物取扱者が乗車、危険物取扱者免状携帯
〇 長時間移送の場合、2人以上の運転要員確保(例外規定あり)
〇 長時間とは
・連続運転時間が4時間を超える移送
・連続運転が1日当たり9時間を超える移送
〇 移動タンク貯蔵所には下記を備え付けておくこと。
・完成検査済証
・定期点検記録
・譲渡・引渡の届出書
・品名・数量又は指定数量の倍数の変更の届出書
★ 次のような問題が出題されます。★
危険物を運搬する場合には、運搬容器の外部に、危険物の品名、危険物等級及び化学名、その他必要事項を表示して積載しなければなりませんが、この危険物等級に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
危険物は、危険性の程度に応じて、危険等級Ⅰ、危険等級Ⅱ、危険等級Ⅲに区分されているが、下記の組合せのうち、誤っているものはどれか。
(1)カリウム:危険等級Ⅰ
(2)ジエチルエーテル:危険等級Ⅰ
(3)ガソリン:危険等級Ⅰ
(4)アルコール類:危険等級Ⅱ
(5)灯油:危険等級Ⅲ
【解答】
(3)
【解説】
第四類危険物に関する危険等級は下記のとおりである。
<危険等級Ⅰ>
特殊引火物(ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒドなど)
<危険等級Ⅱ>
第一石油類(ガソリン、ベンゼン、トルエン、アセトンなど)アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコールなど)
<危険等級Ⅲ>
上記以外の危険物(灯油、軽油、重油など)
(危規則第39条の2)