基礎的な化学
主要項目
■ 物質の変化と種類
■ 元素・原子・分子
■ 化学の基本法則
■ 熱化学
■ 溶液
■ 酸・塩基・塩、酸化と還元
■ 金属と非金属
■ 有機化合物
■熱化学
反応熱
化学変化は熱の発生または吸収を伴って起こるのが普通であるが、化学反応に伴って1モルの反応物質が発生又は吸収する熱量を反応熱という。
化学反応で熱の発生を伴う反応を発熱反応、熱の吸収を伴う反応を吸熱反応という。
熱化学方程式
化学反応式に反応熱を記入したものを熱化学方程式という。
発生する熱量(発熱反応)を+、吸収する熱量(吸熱反応)を-で表す。
[例] 炭素1モルが酸素中で完全燃焼した。
C+O2=CO2+394kJ
反応熱の種類
①燃焼熱
1モルの物質が完全に燃焼するときに発生する反応熱をいう。
[例]
H2+1/2O2 = H2O+286kJ
(≒68.3kcal)
②生成熱
化合物1モルが成分元素の単体から生成するときに発生又は吸収する反応熱をいう。
[例]
C+2H2=CH4+75kJ
(17.9kcal)
③分解熱
生成熱とは反対に、化合物1モルが分解するときに発生または吸収する反応熱をいう。
[例]
CO2=C+O2-394kJ
(94.1kcal)
④中和熱
酸と塩基の中和で1モルの水が生成するときに発生する反応熱をいう。
[例]
HCl+NaOH
=NaCl+H2O+56kJ
(13.4kcal)
⑤溶解熱
1モルの物質を多量の溶媒中に溶かしたときに発生又は吸収する反応熱をいう。
[例]
NaOH+aq(水)
= NaOHaq+44.5kJ
(10.6kcal)
反応速度(化学反応の速さ)
単位時間内に反応する物質がどれだけ減少するか、または生成する物資がどれだけ増加するか、その変化量で表される。
この変化量は、物質の濃度変化に比例するため、反応速度は、単位時間内における反応物質の濃度変化で表わすのが一般的である。
【反応速度】
濃度、圧力、温度、触媒の有無などの影響を受ける。
〇濃度が高いほど、分子の衝突頻度が高くなるため、反応速度は速くなる。
〇圧力を高くすると、単位体積当たりの粒子数が増えるため、反応速度は速くなる。(濃度を高
くするのと同様)
〇温度が高いほど、粒子の熱運動が激しくなり、衝突頻度が増すため、反応速度は速くなる。
〇正の触媒を用いると、活性化エネルギーがより小さい経路で反応が進むため、反応速度は速くなる。
〔活性化エネルギー〕
化学反応は、反応物質が熱やエネルギーを受け取り、エネルギーのより高い状態を経由して進む。
このエネルギーの高い状態を活性化状態といい、活性化状態になるときに必要とする最小のエネルギーを活性化エネルギーという。
主要項目
■ 物質の変化と種類
■ 元素・原子・分子
■ 化学の基本法則
■ 熱化学
■ 溶液
■ 酸・塩基・塩、酸化と還元
■ 金属と非金属
■ 有機化合物
■熱化学
反応熱
化学変化は熱の発生または吸収を伴って起こるのが普通であるが、化学反応に伴って1モルの反応物質が発生又は吸収する熱量を反応熱という。
化学反応で熱の発生を伴う反応を発熱反応、熱の吸収を伴う反応を吸熱反応という。
熱化学方程式
化学反応式に反応熱を記入したものを熱化学方程式という。
発生する熱量(発熱反応)を+、吸収する熱量(吸熱反応)を-で表す。
[例] 炭素1モルが酸素中で完全燃焼した。
C+O2=CO2+394kJ
反応熱の種類
①燃焼熱
1モルの物質が完全に燃焼するときに発生する反応熱をいう。
[例]
H2+1/2O2 = H2O+286kJ
(≒68.3kcal)
②生成熱
化合物1モルが成分元素の単体から生成するときに発生又は吸収する反応熱をいう。
[例]
C+2H2=CH4+75kJ
(17.9kcal)
③分解熱
生成熱とは反対に、化合物1モルが分解するときに発生または吸収する反応熱をいう。
[例]
CO2=C+O2-394kJ
(94.1kcal)
④中和熱
酸と塩基の中和で1モルの水が生成するときに発生する反応熱をいう。
[例]
HCl+NaOH
=NaCl+H2O+56kJ
(13.4kcal)
⑤溶解熱
1モルの物質を多量の溶媒中に溶かしたときに発生又は吸収する反応熱をいう。
[例]
NaOH+aq(水)
= NaOHaq+44.5kJ
(10.6kcal)
反応速度(化学反応の速さ)
単位時間内に反応する物質がどれだけ減少するか、または生成する物資がどれだけ増加するか、その変化量で表される。
この変化量は、物質の濃度変化に比例するため、反応速度は、単位時間内における反応物質の濃度変化で表わすのが一般的である。
【反応速度】
濃度、圧力、温度、触媒の有無などの影響を受ける。
〇濃度が高いほど、分子の衝突頻度が高くなるため、反応速度は速くなる。
〇圧力を高くすると、単位体積当たりの粒子数が増えるため、反応速度は速くなる。(濃度を高
くするのと同様)
〇温度が高いほど、粒子の熱運動が激しくなり、衝突頻度が増すため、反応速度は速くなる。
〇正の触媒を用いると、活性化エネルギーがより小さい経路で反応が進むため、反応速度は速くなる。
〔活性化エネルギー〕
化学反応は、反応物質が熱やエネルギーを受け取り、エネルギーのより高い状態を経由して進む。
このエネルギーの高い状態を活性化状態といい、活性化状態になるときに必要とする最小のエネルギーを活性化エネルギーという。
ポイント!
正の触媒を加えると、活性化エネルギーが小さくなり、反応速度が速くなります。
逆に、負の触媒を加えると、活性化エネルギーが大きくなり、反応速度が遅くなります。
そして、この負の触媒作用は抑制効果ともいわれます。
燃焼の継続を抑制する方法として、ハロゲン化物が持つ抑制効果と窒息効果を利用する消火方法がありますが、この方法は、負の触媒で活性化エネルギーを大きくし、反応速度を小さくしている点を理解しておきましょう。
★ 次のような問題が出題されます。★
反応熱に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
反応熱について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)中和熱とは、酸と塩基が中和し合うときに発生する熱量をいう。
(2)反応熱には、発熱反応と吸熱反応がある。
(3)燃焼熱とは、物質1モルが燃焼するときに発生する熱量をいう。
(4)分解熱とは、化合物1モルが成分元素の単体から生成するときに発生又は吸収する熱量をいう。
(5)溶解熱とは、物質1モルを多量の溶媒中に溶かすときに発生又は吸収する熱量をいう。
【解答】
(4)
【解説】
分解熱とは、化合物1モルを、その成分元素の単体に分解するときに発生または吸収する熱量のことをいい、化合物1モルが、成分元素の単体から生成されるときに発生又は吸収する熱量は生成熱という。