燃焼に関する基礎理論
主要項目
■ 燃焼の定義・原理
■ 燃焼の仕方
■ 危険物の物性
■ 燃焼範囲(爆発範囲)
■ その他の特性
■燃焼の仕方
燃焼の仕方
可燃物の燃焼の仕方は、気体、液体、固体の燃焼の3つに分けることができるが、これらの三態に応じて色々な燃え方をする。
また、酸素の供給が充分であれば完全燃焼し、不充分であれば不完全燃焼する。
①気体の燃焼
気体が燃焼するには、可燃性気体(気体可燃物)と空気とがある濃度の範囲内で混合していなければならない。
この濃度範囲を燃焼範囲(爆発範囲)という。
a.定常燃焼
混合燃焼・・・・あらかじめ可燃性気体と空気とを混合させて、燃焼させる場合をいう。(予混合燃焼)
非混合燃焼・・・可燃性気体を大気中に放出して、空気中の酸素と混合させて、燃焼させる場合をいう。(拡散燃焼)
b.非定常燃焼(爆発燃焼)
可燃性気体と空気との混合ガスが、密閉容器内で点火されたときに起こる爆発的燃焼、または制御しにくい燃焼をいう。
②液体の燃焼
引火性液体の表面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、なんらかの点火源により燃焼する。
これを蒸発燃焼という。
第四類危険物の燃焼はすべて蒸発燃焼である。
③固体の燃焼
a.表面燃焼
可燃性個体がその表面で、蒸発も熱分解も起こさず高温を保ちながら酸素と反応して、表面から次第に内部に燃えていく燃焼を表面燃焼という。
(例)木炭、コークス、金属粉
b.分解燃焼
可燃物が加熱されて分解し、その際、発生する可燃性ガスが燃焼する場合を分解燃焼という。
(例)木材、石炭
分解燃焼に含まれるものに自己燃焼(内部燃焼)がある。
これらは、可燃性固体自身が燃焼に必要な酸素をもっており、点火源さえあれば燃焼する。
なお、自己燃焼を起こすものとして第五類危険物(自己反応性物質)がある。
(例)ニトロセルロース、セルロイド
c.蒸発燃焼
固体を加熱した場合、熱分解を起こすことなく、そのまま蒸発してその蒸気が燃焼する場合を蒸発燃焼という。
(例)硫黄、ナフタリン
ポイント!
「可燃物とその燃焼の仕方との組合せとして、次のうち正しいものはどれか。」といった問題が出題されますので、上記の、表面燃焼、分解燃焼、蒸発燃焼についてそれぞれ具体例を暗記しておきましょう。
なお、第四類危険物の燃焼はすべて蒸発燃焼です。
④燃焼のしやすさ、しにくさ
燃焼の難易は、「着火のしやすさ」と、「燃焼の継続性」に分けて考える必要がある。
・着火は容易であるが、燃焼の進行が緩やかなもの
・着火はしにくいが、一度着火するとその燃焼が激しく進行するものなど、物質や条件によって変わる。
【一般的燃焼の難易】
a.可燃性蒸気が発生しやすい物ほど燃えやすい
b.発熱量が大きい物ほど燃えやすい
c.熱伝導率が小さい物ほど燃えやすい
d.周囲の温度が高いほど燃えやすい
e.物質が乾燥している物ほど燃えやすい
f.酸化されやすい物ほど燃えやすい
g.表面積が大きい物ほど燃えやすい
主要項目
■ 燃焼の定義・原理
■ 燃焼の仕方
■ 危険物の物性
■ 燃焼範囲(爆発範囲)
■ その他の特性
■燃焼の仕方
燃焼の仕方
可燃物の燃焼の仕方は、気体、液体、固体の燃焼の3つに分けることができるが、これらの三態に応じて色々な燃え方をする。
また、酸素の供給が充分であれば完全燃焼し、不充分であれば不完全燃焼する。
①気体の燃焼
気体が燃焼するには、可燃性気体(気体可燃物)と空気とがある濃度の範囲内で混合していなければならない。
この濃度範囲を燃焼範囲(爆発範囲)という。
a.定常燃焼
混合燃焼・・・・あらかじめ可燃性気体と空気とを混合させて、燃焼させる場合をいう。(予混合燃焼)
非混合燃焼・・・可燃性気体を大気中に放出して、空気中の酸素と混合させて、燃焼させる場合をいう。(拡散燃焼)
b.非定常燃焼(爆発燃焼)
可燃性気体と空気との混合ガスが、密閉容器内で点火されたときに起こる爆発的燃焼、または制御しにくい燃焼をいう。
②液体の燃焼
引火性液体の表面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、なんらかの点火源により燃焼する。
これを蒸発燃焼という。
第四類危険物の燃焼はすべて蒸発燃焼である。
③固体の燃焼
a.表面燃焼
可燃性個体がその表面で、蒸発も熱分解も起こさず高温を保ちながら酸素と反応して、表面から次第に内部に燃えていく燃焼を表面燃焼という。
(例)木炭、コークス、金属粉
b.分解燃焼
可燃物が加熱されて分解し、その際、発生する可燃性ガスが燃焼する場合を分解燃焼という。
(例)木材、石炭
分解燃焼に含まれるものに自己燃焼(内部燃焼)がある。
これらは、可燃性固体自身が燃焼に必要な酸素をもっており、点火源さえあれば燃焼する。
なお、自己燃焼を起こすものとして第五類危険物(自己反応性物質)がある。
(例)ニトロセルロース、セルロイド
c.蒸発燃焼
固体を加熱した場合、熱分解を起こすことなく、そのまま蒸発してその蒸気が燃焼する場合を蒸発燃焼という。
(例)硫黄、ナフタリン
ポイント!
「可燃物とその燃焼の仕方との組合せとして、次のうち正しいものはどれか。」といった問題が出題されますので、上記の、表面燃焼、分解燃焼、蒸発燃焼についてそれぞれ具体例を暗記しておきましょう。
なお、第四類危険物の燃焼はすべて蒸発燃焼です。
④燃焼のしやすさ、しにくさ
燃焼の難易は、「着火のしやすさ」と、「燃焼の継続性」に分けて考える必要がある。
・着火は容易であるが、燃焼の進行が緩やかなもの
・着火はしにくいが、一度着火するとその燃焼が激しく進行するものなど、物質や条件によって変わる。
【一般的燃焼の難易】
a.可燃性蒸気が発生しやすい物ほど燃えやすい
b.発熱量が大きい物ほど燃えやすい
c.熱伝導率が小さい物ほど燃えやすい
d.周囲の温度が高いほど燃えやすい
e.物質が乾燥している物ほど燃えやすい
f.酸化されやすい物ほど燃えやすい
g.表面積が大きい物ほど燃えやすい
★ 次のような問題が出題されます。★
燃焼の仕方に関しては、次のような形で出題されることがあります。
【問題】
可燃物とその燃焼の仕方との組合せとして、次のうち誤っているものはどれか。
(1)木炭が燃える ・・・・・表面燃焼
(2)ガソリンが燃える ・・・蒸発燃焼
(3)石炭が燃える ・・・・・分解燃焼
(4)灯油が燃える ・・・・・蒸発燃焼
(5)木材が燃える ・・・・・表面燃焼
【解答】
(5)
【解説】
〇表面燃焼
可燃性固体がその表面で熱分解も起こさず、又、蒸発もしないで高温を保ちながら酸素と反応して燃焼する場合をいう。(木炭・コークスなど)
〇分解燃焼
可燃物が加熱されて分解し、その際発生する可燃性ガスが燃焼する場合をいう。(木材、石炭など)
〇蒸発燃焼
・液体の場合
液面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、点火源により燃焼すること。(ガソリン、灯油)
・固体の場合
固体を熱した場合、熱分解を起こすことなく、蒸発(昇華)してその蒸気が燃焼すること。(硫黄、ナフタリン)